デジタルカメラ導入に伴うリスク
ストリップ劇場にデジタルカメラ導入することに伴うリスクについての私的な意見です。

2008.12.8に「IT化とストリップショー」と題したコラムを書きましたが、ITの進展に伴う全般的な話として、 少々ぼかしすぎたので、改めて一番私が心配していることに絞ってまとめ直しました。
最近起こった事件の一つの原因として結びつけて考えることも出来ますが、それに関する因果関係については何も 立証する証拠はありません。
あくまで可能性としてのリスクマネジメントへの警鐘であって、具体的にリスクが顕在化したわけではありません ので、その点、予めお断りしておきます。

デジタルカメラ導入に伴う情報漏洩リスク

私が最近一番危惧していることの一つに、インスタントカメラによる踊り子さんの撮影サービスがデジタルカメラへ 置き換わることのリスクがある。アナログのインスタントカメラと違い、デジタルカメラの情報は簡単に大量の情報 のコピーが可能である。しかもインスタントカメラより画像の質も格段に高い場合が多いだろう。デジタルカメラの 情報は、メモリカードなどの媒体に大量におさめることができ、パソコンなどに短時間でコピーも可能である。 プリンタによっては、データを記憶することもできるかも知れない。例えば、デジカメ又はSDカードなどが盗難又は 紛失されて、それを手に入れた人がマスコミに売るなどの可能性もあるわけであり、そのようなリスクを十分に 認識することが必須である。

情報漏洩防止対策として考えられること
企業においては、営業秘密や個人情報の漏洩を防ぐことを目的に様々な対策がなされている。 例えば、社内規程を作り管理体制や責任者をはっきりさせる。所属する従業員に対しても、就業規則のなかで、 情報の適切な管理責任をうたいこんだり、個人から誓約書を取るなど、所属員が情報を漏洩できない(しづらい)ような 体制を整えている。さらに情報機器の持ち込みや持ち出しに対し、きちっとしたルール化をするとともに、 もしも情報機器を紛失したり、盗難にあったときに備えて、パスワードによるロックやデータの暗号化を図っている。
ストリップ劇場においても、企業と同レベルかそれ以上の情報漏洩防止対策が必要であろう。 踊り子さんのポートレートは劇場入り口に飾られたり、あるいはインターネットなどでもPRされているので、 踊り子さん個人を特定することができるということからすれば、デジタルカメラに撮影された踊り子さんの情報も 個人情報と言えよう。個人情報を取得する場合は、その利用目的を明示するとともに、その利用目的以外には使用 しないということが個人情報保護法に定められているが、劇場サイドは、上述の物理的な情報漏洩防止対策に併せて、 従業員に対する情報管理の徹底や踊り子さんへのきちっとした説明が出来ているだろうか?

デジタルカメラサービスの導入には、上述のような管理体制、従業員に対しての教育と牽制のしくみを構築した上で、 慎重のうえにも慎重に対応してもらいたいというのが私の気持ちである。
2008.12.30 に「2008年11月中の摘発事件を考察する」と題したコラムを書き、その時に不幸にも逮捕された 二人踊り子さんの接点であった劇場が、今度は摘発されるという事態となり、また報道記事の中でもデジカメ サービスについても紹介されてくるに至り、危惧の念が高まる今日この頃です。 ポラロイドはなくなりましたが他にもインスタントカメラはあるので、そのほうがリスクは少ないので、 デジカメ導入は極力ひかえて欲しいものです。(別にインスタントカメラメーカーの回し者ではありませんが。)