華麗なチームダンスショー
浅草ロック座は84年に2億円強を投じて劇場の照明や音響を改装し、93年には
コントも演目から外すなど興行内容も見直したらしい。当時、劇場を経営する東興行
で企画を担当する古川恒徳(現在の斎藤社長ですかね?)は脱ストリップを目指し、
パリの劇場などを視察して、音楽と照明、ダンスを組み合わせた総合的な演出を
取り入れたという。
私が訪れた1995年10月12日も華麗な踊り子さん8人と、外国人男性のダンサーが
バックダンスで盛りたてるチームダンスショーであった。その時の香盤は、
相原さやか、火の里、3代目東八千代(旧名桜ひろ美:今の3代目とは別人です)、
仲山れい子、絵梨花、立原貴美、真田ゆかり、桜木ルイ だった。
ちょうどルイちゃんデビューの時だったと思う。先輩の踊り子さんに囲まれ、とても
初々しかった。ところが以来、浅草ロック座にはあまり訪れていない。チャンスがあれば
また行きいとは思うが、実は、それほど好きな劇場ではない。
ロック座の踊り子さんは、とても魅力的な人が多いのだが、こと舞台に関しては、
私は、チームダンスよりも、踊り子さんの個性が生かされるソロのステージが好み
である。踊りが上手でなくてもいい、タッチショーもいいし、ポラがあってもいい。
踊り子さんが自分の持ち味を出した舞台であればいい。一人の女性の魅力をライブ
で近くに感じたい。舞台がうまく出来なくても、愛嬌とやる気があれば、お客さんは
優しく見守ってくれる。そんな時間と空間が好きだ。
ロック座のチームダンスは確かに綺麗だが、一人の踊り子が最初から最後まで
自分の世界を演出することの魅力は出しえない。一方チームダンスそのものだけの
魅力を追及するなら、もっとプロフェッショナルな世界が他に存在する。
ルイちゃんは初々しくて可愛かったが、私が楽しみにしていた相原さやかさんは、
チームショーの制約の中で魅力を発揮しきれずにいたように私は感じたのだった。