IT社会の進展とストリップショー(コラム)
インターネットでいつでも香盤情報や踊り子さんのブログをチェックできるなど、IT化の進展によりとても便利になった反面、
匿名による無責任な書込みなど問題も多い。比較的簡単に個人のホームページももてるし、掲示板や個人のブログなどは、
非常に簡単に作成できるが、きちっとした目的意識を持たず、また危険性があることもわからないまま、周囲の動きにつられて
掲示板やブログをもって傷つくということも見受けられる。
インタラクティブと言えば感じが良い響きがするが、匿名に隠れた中傷や場合によっては悪意も取り込んでしまう恐れがある。
ブログを作る時なども、例えばPR・発信に徹したものにするなどきちっと方針をもつことが必要だろう。掲示板を作成した場合も、
自身の書込みの方針をはっきりもっておく必要があろう。例えばPRや何か意見を求める書込みはするが、書き込まれた個別の意見
や質問には答えないなど。特に匿名のマスクをかぶっての書込みに振り回されないようにすることが肝要であろう。
前置きが長くなってしまったが(このようなネット社会の問題点もじっくり整理したい気持ちはあるが、非常に難しい問題であり、
もう少し社会の成熟や私自身の考えが整理できたら、まとめてみたいテーマではある)、今回、私が指摘しておきたいのは、
上述のことではなく、ITの導入による情報管理面からのリスクである。
企業における一般的な情報管理
企業においては、営業秘密や個人情報の漏洩を防ぐことを目的に様々な対策がなされている。
例えば、社内規程を作り管理体制や責任者をはっきりさせる。所属する従業員に対しても、就業規則のなかで、
情報の適切な管理責任をうたいこんだり、個人から誓約書を取るなど、所属員が情報を漏洩できない(しづらい)ような
体制を整えている。
さらに情報機器の持ち込みや持ち出しに対し、きちっとしたルール化をするとともに、もしも情報機器を紛失したり、
盗難にあったときに備えて、パスワードによるロックやデータの暗号化を図っている。
ストリップ劇場における情報漏洩リスク
私が最近一番危惧しているのは、インスタントカメラによる踊り子さんの撮影サービスがデジタルカメラへ置き換わることの
リスクである。アナログのインスタントカメラと違い、デジタルカメラの情報は簡単に大量の情報のコピーが可能である。
しかもインスタントカメラより画像の質も格段に高い場合が多いだろう。デジタルカメラの情報は、メモリカードなどの媒体に大量におさめることができ、パソコンなどに短時間でコピーも可能である。
プリンタによっては、データを記憶することもできるかも知れない。
となればストリップ劇場においても、企業と同レベルの情報漏洩防止対策が必要である。踊り子さんのポートレートは劇場入り口に飾られたり、
あるいはインターネットなどでもPRされているので、踊り子さん個人を特定することができるということからすれば、デジタルカメラ
に撮影された踊り子さんの情報も個人情報と言えよう。個人情報を取得する場合は、その利用目的を明示するとともに、その利用目的
以外には使用しないということが個人情報保護法に定められているが、劇場サイドは、上述の物理的な情報漏洩防止対策に併せて、
従業員に対する情報管理の徹底や踊り子さんへのきちっとした説明が出来ているだろうか?
デジタルカメラサービスの導入には、上述のような管理体制、従業員に対しての教育と牽制のしくみを構築した上で、
慎重のうえにも慎重に対応してもらいたいというのが私の気持ちである。