最近の状況

最近、関西のストリップ劇場の衰退ぶりは非常に残念だ。関西だけではなく東京(関東圏)以外といってもよいだろう。
ビデオ・DVDが氾濫しており、またインターネットで様々な映像も入手することができる。 一昔前ならストリップ劇場でしか見ることが出来なかったものが、簡単に手に入る時代となってしまった。 性的好奇心を満たすだけなら、わざわざストリップ劇場へ行くこともない。
東京では、まだ劇場に活気が残っているような気がする。情報発信の中心であり、それこそ劇場に行かなくても、 何でも手に入ると思われるが、なぜだろう?

関西では、様々な新規事業が起こっている。当然、一時的に成功してもすぐに廃れていくものも多い。
関西のストリップ劇場では、この10年くらい素人さんのサービスを導入した劇場が多い。十三のように本業は廃業?してしまって 素人さんの専門館になってしまったところもある。九条も最近、素人専門館に近い状況か?
デラックス系のように、ストリップショーと素人ショーと興行を完全に分けているところもある。
関西ニューアートのように素人さんが舞台で演じる劇場もある。ここの場合は素人さんというより、むしろ専属の踊り子さんと いってもよい感じであり、一つのスタイルとして定着する可能性もあったと思うが、残念ながら長期の休館となってしまい、 復活も危うい状況となってしまった。
結局のところストリップショーに素人サービスで付加価値をつけるのは難しいのではないか?顧客が素人さんに求めるものを 追求していくと、最終的には素人専門館(セクキャバ?)か風俗になってしまうのではないか?ストリップショーに付属していて、 手軽に遊べるという点では良かったのだが、欲望を追求すればするほどいろんな意味で限界が出てきそうだ。

東洋ではプリペイドカードを導入しているので、素人サービスやChaco(ラウンジ)での飲料による売り上げアップをもくろんでか、 最近(といってもかなり前だが)、10500円で購入できる1万円分のプリペイドカードでの劇場入場料金を通常4000円、早朝3500円に値上げした。
このカードの残額は繰り越すことが出来ない。値上げ以前の入場料金は、通常3500円、早朝3000円であった。これは顧客ニーズを無視した、 非常にまずい経営施策である。
単に値上げが悪いといっているのではない。 以前の料金であれば、早朝に1回入場すれば1枚のカードで3回入場できた。きっちり入場料だけで使い切ることが可能であった。 顧客の希望によって、入場料で使うか、素人さんと遊ぶか、ラウンジで飲むか、選択が出来たということである。 (早朝で3回入った場合だけは、1000円の端数が出てしまったが。)
今の料金体系では、入場料という選択の余地のない残額が必ず生じるようになっている。これは当面の売り上げアップを 狙った短絡的な施策であり、長期的な視点にたち顧客のニーズに柔軟に対応していくという経営の重要なポイントが欠落している。
壁に貼ってある「お客様は神様です」という顧客志向からはほど遠く、この経営姿勢が従業員の接客姿勢にも影響しているように思う。

東京でストリップ劇場にまだ活気が残っているのは、あらゆる情報が集約されているがゆえに、本当にストリップ劇場でしか 得られないものがあることに気づき、そこに価値を見出している顧客の存在、そして苦しい中でも短絡的な手を打つのではなく、長期的な視点から、頑張って顧客ニーズに 対応している経営者や従業員がいるからではないか?
本当にいいものが、顧客に選ばれる。本当に価値あるもの、ストリップ劇場に行かなければ得られない感動や満足感があると思う。 劇場サイドは長い目でみてストリップショーの価値はいったい何なのか?それを追求し究めていく必要があろう。

東洋は、長いこと通っている愛着ある劇場なので、なんとか頑張って欲しい。