1969年の油による汚染損害についての民事責任に関する
国際条約の議定書


平成6年9月14日条約第9号  
発効平成6年11月22日外務省告示第514号  

この議定書の締約国は、
1969年11月29日にブラッセルで作成された油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の締約国として、
次のとおり協定した。

第1条 この議定書の適用上、
1 「条約」とは、1969年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約をいう。
2 「機関」という語は、条約において定義されるこの語の意味と同一の意味を有する。
3 「事務局長」とは、機関の事務局長をいう。

第2条 条約第5条を次のように改正する。
(1) 1を次のように改める。
1 船舶の所有者は、この条約に基づく自己の責任を、一の事故について、その船舶のトン数につきトン当たり133計算単位で計算した金額に制限することができる。ただし、この金額は、いかなる場合にも、1400万計算単位を超えないものとする。
(2) 9を次のように改める。
9(a) 1にいう計算単位は、国際通貨基金の定める特別引出権とする。1に規定する金額は、基金が形成される国の通貨がその形成の日に特別引出権に対して有する価値に従つて、当該通貨に換算する。国際通貨基金の加盟国である締約国の通貨の特別引出権表示による価値は、国際通貨基金がその操作及び取引のために適用する評価方法であつて換算の日において効力を有しているものにより計算する。国際通貨基金の加盟国でない締約国の通貨の特別引出権表示による価値は、その締約国の定める方法により計算する。
(b) 国際通貨基金の加盟国でなく、かつ、自国の法令により(a)の規定を適用することのできない締約国は、この条約の批准、受諾若しくは承認若しくはこれへの加入の時に又はその後いつでも、自国の領域において適用する1に規定する責任の限度額を、一の事故について、その船舶のトン数につきトン当たり2000貨幣単位で計算した金額とすることを宣言することができる。ただし、この金額は、いかなる場合にも、2億1000万貨幣単位を超えないものとする。この(b)にいう貨幣単位とは、純分1000分の900の金の65.5ミリグラムから成る単位をいう。この金額の通貨への換算は、当該国の法令の定めるところにより行う。
(c) (a)第4段に規定する計算及び(b)に規定する換算は、1において計算単位で表示されている金額と可能な限り同一の実質価値が締約国の通貨で表示されるように行う。締約国は、(a)に規定する計算の方法又は(b)に規定する換算の結果を、第4条に定める文書の寄託の時に寄託者に通知する。当該計算の方法又は当該換算の結果が変更された場合も、同様とする。

第3条 
1 この議定書は、条約に署名し又は加入した国及び1976年11月17日から19日までロンドンで開催された1969年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の計算単位規定を改正する会議に出席するよう招請された国による署名のために開放する。この議定書は、1977年2月1日から同年12月31日まで、機関の本部において、署名のために開放しておく。
2 4の規定に従うことを条件として、この議定書は、これに署名した国によって批准され、受諾され又は承認されなければならない。
3 4の規定に従うことを条件として、この議定書は、これに署名しなかった国による加入のために開放しておく。
4 この議定書は、条約の締約国がこれを批准し、受諾し若しくは承認し又はこれに加入することができる。

第4条 
1 批准、受諾、承認又は加入は、そのための正式の文書を事務局長に寄託することによって行う。
2 この議定書の改正がすべての締約国について効力を生じた後又はその改正の効力発生に必要なすべての措置がすべての締約国についてとられた後に寄託される批准書、受諾書、承認書又は加入書は、改正された議定書に係るものとみなす。

第5条 
1 この議定書は、それぞれのタンカー保有量が100万総トン以上である5の国を含む8の国が批准書、受諾書、承認書又は加入書を事務局長に寄託した日の後90日目の日に、この議定書を批准し、受諾し若しくは承認し又はこれに加入した国について効力を生ずる。
2 この議定書は、その後にこれを批准し、受諾し若しくは承認し又はこれに加入する国については、その国が該当する文書を寄託した後90日目の日に効力を生ずる。

第6条 
1 締約国は、この議定書が自国について効力を生じた日の後は、いつでもこれを廃棄することができる。
2 廃棄は、事務局長に廃棄書を寄託することによって行う。
3 廃棄は、事務局長への廃棄書の寄託の後1年で、又は廃棄書に明記するこれよりも長い期間の後に、効力を生ずる。

第7条 
1 機関は、この議定書の改正のための会議を招集することができる。
2 機関は、この議定書の締約国の3分の1以上からの要請がある場合には、この議定書の改正のための締約国会議を招集する。

第8条 
1 この議定書は、事務局長に寄託する。
2 事務局長は、次のことを行う。
(a) 署名国又は加入国に対して次の事項を通知すること。
(i) 新たに行われた署名又は文書の寄託及びその署名又は寄託の日
(ii) この議定書の効力発生の日
(iii) この議定書の廃棄書の寄託及びその廃棄が効力を生ずる日
(iv) この議定書の改正
(b) 署名国又は加入国に対し、この議定書の認証謄本を送付すること。

第9条 事務局長は、この議定書が効力を生じたときは直ちに、国際連合憲章第102条の規定に従い、その認証謄本を登録及び公表のため国際連合事務局に送付する。

第10条 この議定書は、ひとしく正文である英語及びフランス語により原本一通を作成する。ロシア語及びスペイン語による公定訳文が、作成され、署名済みの原本と共に寄託されるものとする。