著作一覧に戻る


 フィリピン家族法 【第2版】


  J・N・ノリエド 〔著〕 奥田安弘/高畑幸〔訳〕

明石書店
本体4,300円+税
ISBN:9784750325705
判型・ページ数:4-6・352ページ
出版年月日:2007/06/01


第2版訳者はしがき

 初版がしばらく品切れ状態となり、各方面に迷惑をかけていたが、この度、改訳版を出版する機会が与えられた。翻訳の対象は、初版と同じくJ・N・ノリエド著『フィリピン家族法注釈』2000年版であるが、とくに条文の翻訳は、全面的に改めた。これは、家族法・国内養子縁組法・渉外養子縁組法を奥田安弘編訳『国際私法・国籍法・家族法資料集―外国の立法と条約』(2006年・中央大学出版部)に収める際に、訳文を全面的に見直したからである。その他に、注釈の翻訳や訳者解説など、多数の訂正ないし加筆訂正を行なった。これらは、明らかな誤りを正すだけでなく、より分かりやすい文章にするためでもあり、大方の賛同を得られるものと期待している。
 さらに、本書の内容的なアップデートとしては、家族法176条の改正がある。従来、非嫡出子は、必ず母の姓を称するものとされ、父の姓を称することができなかったが、2004年の改正により、一定の条件のもとで父の姓を称することができるようになった。詳細は、176条の注釈の末尾を参照して頂きたい。また、訳者解説2「国際私法の視点」との関連では、わが国の法源である「法例」が改正され、「法の適用に関する通則法」が制定された(2007年1月1日施行)。本書に関係する婚姻親子の規定は、内容の変更がないとはいえ、条文番号が変更された。
 なお、改訳版の出版については、明石書店・編集部長の黒田貴史さん、製作部の千葉陽介さんおよび香月夏雄さんのお世話になった。この場を借りて、お礼を申し上げたい。

2007年2月25日
奥田安弘

目次

第2版訳者はしがき
凡例
訳者解説
 1 比較法の視点
 2 国際私法の視点
 3 社会学の視点
1 婚姻
 1 婚姻の要件
 2 許可証の要件を免除された婚姻
 3 婚姻の無効および取消し
2 法的別居
3 実親子関係
 1 嫡出子
 2 親子関係の証明
 3 非嫡出子
 4 準正子
4 養子縁組
5 扶養
判例索引
文献索引