第18回/昭和39年11月3日 渋谷公会堂
1 東京支部 東京都代表 豊島区立第十中学校吹奏楽部 (指揮 : 酒井正幸) 金賞
課題曲 : オラトリオ「サムソン」序曲 (G.ヘンデル)
自由曲 : 交響曲第4番 より 第4楽章 (P.チャイコフスキー)プログラム1番から、このチャイコフスキーのナンバーを演奏するのは大変だった事だろう。公的な音源としては、響南中学校の演奏が音源として残っているが、完璧に近いアンサンブル、艶のある木管サウンド、この時代にこのバンドが、いかに超絶技巧サウンドを持っていたかが、この演奏でよくわかる。ただ、カットが、響南の方が自然だったかも知れない。個人的には、この学校のチャイコフスキーが、人間味溢れてて、最も好きかな。
4 関西支部 兵庫県代表 西宮市立今津中学校吹奏楽部 (指揮 : 得津武史) 金賞
課題曲 : オラトリオ「サムソン」序曲 (G.ヘンデル)
自由曲 : 祝典序曲 (D.ショスタコーヴィチ)さて、上位常連校のチャイコフスキー攻めの中にあって、祝典で気を吐いたのが今津。しかし、冒頭のファンファーレからして、ブラスの響きに乱れがあったりと、ちょっと今津らしくない演奏。順位制でなくなった気の緩みだろうか・・・。しかし、曲の中盤から後半にかけての盛り上げと、アンサンブルはさすがにお見事。ここからまた今津の破竹の受賞記録は続いて行きます。
5 中国支部 島根県代表 出雲市立第一中学校吹奏楽部 (指揮 : 渡部修明) 金賞
課題曲 : オラトリオ「サムソン」序曲 (G.ヘンデル)
自由曲 : 交響曲第4番 より 第4楽章 (P.チャイコフスキー)指揮者が交代した名門出雲一中。まだバンドとの一体感や音楽的なベクトルがかみ合っていない感じで、全体を通してミスも目立つ精彩を欠いた演奏になってしまった。しかし、さうんどの安定感はやはり抜群で、新たな指揮者と共にどんな音楽を作り上げていくのか、期待していたい。
6 西部支部 福岡県代表 北九州市立響南中学校吹奏楽部 (指揮 : 田畑俊彦) 金賞
課題曲 : オラトリオ「サムソン」序曲 (G.ヘンデル)
自由曲 : 交響曲第4番 より 第4楽章 (P.チャイコフスキー)コンクール全国大会歴は浅いものの、この年、課題曲ではダイナミックレンジの広いサウンドと、切れのいいアンサンブルで、課題曲を演奏し、自由曲では、更に一糸乱れぬアンサンブルと、重厚なサウンドで、圧倒的な名演を残した、北九州の響南中。このチャイコフスキー4番は、1968年の福岡電波高校と共に、未だに語り継がれるほどの名演。後半、若干の崩れが見られたのだけが残念。順位制だったら、間違いなく1位を取ったのでは。この年の中学校の部は、金賞のうち3校が、チャイコフスキーの4番を演奏。それぞれに特色のあるカットで、聞き比べる面白さがあるわけです。
2 関東支部 山梨県代表 富士吉田市立明見中学校吹奏楽部 (指揮 : 平野廣海) 銀賞
課題曲 : オラトリオ「サムソン」序曲 (G.ヘンデル)
自由曲 :
サスカッチアンの山 (A.リード)
3 四国支部 徳島県代表 徳島市立富田中学校吹奏楽部 (指揮 : 糸谷安雄) 銀賞
課題曲 : オラトリオ「サムソン」序曲 (G.ヘンデル)
自由曲 :
ロシア領主たちの入場 (J.ハルヴォルセン)この時代は、四国勢もがんばっていた。この学校は、全国大会の常連。数々の名演を残して来た学校として知られていた。上位校に比べると、サウンドが未熟だが、確実なアンサンブルで、好演している。
9 東北支部 秋田県代表 秋田市立山王中学校吹奏楽部 (指揮 : 木内博) 銀賞
課題曲 : オラトリオ「サムソン」序曲 (G.ヘンデル)
自由曲 :
交響曲第5番 より 第4楽章 (P.チャイコフスキー/木内博)金賞団体が、チャイコフスキー4番で火花を散らす一方、なんと5番の終楽章で全国大会に駒を薦めて来たのが、のちに、東北の名門として君臨する事になる、山王中。ここは、指揮者自ら編曲出来るのが強みである。そのバンドに最も適した配置が可能という点でも。まだこの年の山王中は、ピッチも不安定で、サウンドも定まっていないが、この翌年からの破竹の活躍と成長ぶりは、後に伝説となる。
10 北陸支部 福井県代表 丸岡町立丸岡中学校吹奏楽部 (指揮 : 清水八州男) 銀賞
課題曲 : オラトリオ「サムソン」序曲 (G.ヘンデル)
自由曲 :
序曲変ロ調 (C.ジョバンニーニ)映画音楽関係でも数々の名曲を残しているジョバンニーニの、当時は、いろんなところで、よく演奏された楽曲。時代ものの映画音楽っぽくて、こういう曲は結構好きかも。丸岡中は初出場ながら、安定した木管のリードで、好演している。まだこの時代は、中学生の銀賞レベルだと、特にブラス系の音がかなり不安定だったのが残念。
7 東海支部 愛知県代表 蒲郡市立三谷中学校吹奏楽部 (指揮 : 大竹雄) 銅賞
課題曲 : オラトリオ「サムソン」序曲 (G.ヘンデル)
自由曲 :
海の肖像 (H.ラ・ガッシー)
8 北海道支部 旭川地区代表 当麻町立当麻中学校吹奏楽部 (指揮 : 古川道嗣) 銅賞
課題曲 : オラトリオ「サムソン」序曲 (G.ヘンデル)
自由曲 :
楽劇「神々の黄昏」 より ジークフリートの葬送行進曲 (R.ワーグナー)


 
2 関西支部 奈良県代表 天理高等学校吹奏楽部 (指揮 : 谷口真) 金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 : 吹奏楽のための交響曲 より 第4楽章 (R.ジェイガー)課題曲の冒頭から、非常にダイナミックレンジの広い、艶のあるサウンドが鳴り渡る。一聴にして、僅少間違いなしというサウンドはさすが。自由曲は、吹奏楽シーンではあまりにも有名な曲。クラシックものよりも、オリジナルで本領を発揮する天理高校ならではの鮮やかな名演。音の艶が、他の高校生バンドを寄せつけないサウンドを作り上げていた。アンサンブルも文句のつけようがない。余裕で金賞を受賞。
3 東北支部 秋田県代表 秋田県立花輪高等学校吹奏楽部 (指揮 : 佐藤修一) 金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 : 交響詩「禿山の一夜」 (M.ムソルグスキー)クラシックのアレンジもので、こののち数々の名演を残す事になる花輪高校。木管の響きを大事にしたシンフォニックな響きで、この曲を好演。今後の吹奏楽サウンドのあり方を示唆する名演でした。解説書には、秋田の山あいという、地域的なハンディキャップを感じさせない演奏だった・・・・なんて書いてあったけど、失礼ですねえ〜(笑)。
5 北陸支部 富山県代表 富山県立富山商業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 坪島照信) 金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 : 交響詩「ローマの松」 より アッピア街道の松 (O.レスピーギ)70年代の前半、数々の名演を残したこの高校が取り上げたのは、福岡電波高校の名演が衝撃的だったこの曲。木管はしっかりしているが、ブラスに細かいミスやアンサンブルの乱れがあるのが残念。昨年3位の余勢をかって、金賞を受賞。
7 西部支部 福岡県代表 福岡県立嘉穂高等学校吹奏楽部 (指揮 : 竹森正貢) 金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 : シンフォニア・ノビリッシマ (R.ジェイガー)
10 東京支部 東京都代表 東京都立板橋高等学校吹奏楽部 (指揮 : 田中祥治) 金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 : 王宮の花火の音楽 より 序曲 (G.ヘンデル)東京からは何度か全国大会に出演していた板橋高校。ヘンデルの曲を、金管の鮮やかな艶のあるサウンドで表現しているのが好感が持てる。もう少し、木管のサウンドが、しっかりと音を主張してくれると、バランス的にいいんだけどね。でも、ペット系のバロック的な響きは、都会的でいいかも。
1 四国支部 香川県代表 香川県立高松商業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 佐倉好高) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
吹奏楽のためのバラード (M.グールド)
4 関東支部 神奈川県代表 逗子開成高等学校吹奏楽部 (指揮 : 中村政雄) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
序曲「フェードル」 (J.マスネ)
6 中国支部 島根県代表 島根県立川本高等学校吹奏楽部 (指揮 : 谷口栄一) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
交響詩「ローマの松」 より アッピア街道の松 (O.レスピーギ)
8 東海支部 静岡県代表 静岡県立浜松工業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 遠山詠一) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
歌劇「リエンツィ」序曲 (R.ワーグナー)
9 北海道支部 北見地区代表 遠軽高等学校吹奏楽部 (指揮 : 牛島富興) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
交響曲第5番 より 第4楽章 (D.ショスタコーヴィチ)


4 東京支部 東京都代表 日本大学吹奏楽研究会 (指揮 : 杉山由展) 金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 : 組曲「イベリア」 より エボカシオン (I.アルベニス)
5 関西支部 兵庫県代表 関西学院大学応援団総部吹奏楽部 (指揮 : 平山哲一) 金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 : プレリュードとダンス (P.クレストン)関学サウンドの登場。クレストン独特の和声感を着実に表現している。この学校のサウンドと、彼の曲の持つ世界観がよく解け合っている。この学校は、選曲がいつも、面白かった。少々ブラス系が、足を踏み外したりするものの、安定感のある演奏で金賞街道をこののち、突っ走っていく事になる。
6 西部支部 福岡県代表 福岡大学吹奏楽団 (指揮 : 尾木恒雄) 金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 : ファンタジア・ト長調 (J.S.バッハ)大学生が、バッハの曲・・・・時代ですねえ。このころはバロックの音楽も、よく取り上げられていたんですね。はっきり言って、何がいいとか、どうとか、そういう問題ではなくて、丁寧に音楽作りをしている、その姿勢には好感がもてます・・・・ってとこでしょうか。ほのぼのとした時代だったのでしょう。
1 東北支部 岩手県代表 岩手大学吹奏楽部 (指揮 : 葉山良一) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
海の肖像 (H.ラ・ガッシー)
2 東海支部 愛知県代表 愛知大学吹奏楽団 (指揮 : 国井政夫) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
交響的序曲 (C.カーター)この時代は、チャールス・カーターの曲も流行ったね。この曲は比較的平易な曲。大学生らしい中低音のしっかりしたサウンドだが、ブラス系を中心に、音きミスが目立つ。あと、ティンパニの数が少なかったのか、音程を調節する音が、随所に入るのもいただけない。時代だね(^_^;)。ちょうど、ブラスバンドから、シンフォニック・バンドへと移行し初めた時代だったのかも知れない。
3 関東支部 神奈川県代表 神奈川大学吹奏楽部 (指揮 : 原田俊治) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
太平洋の祭り (R.ニクソン)


2 西部支部 福岡県代表 ブリヂストンタイヤ久留米工場吹奏楽団 (指揮 : 小山卯三郎) 金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 : 交響詩「タッソー」 (F.リスト)順位制が廃止されたこの年から、台頭して来たのが、この団体。これまでも、全国大会にはこまを進めてきたものの、この年から、破竹の受賞の歴史がスタートします。この年招待演奏にまわった阪急百貨店、ヤマハ浜松、そしてブリジストンが、職場の部を引っ張っていく事になります。大人らしい重厚なサウンドで、文句の無い名演を聞かせてくれました。
7 東海支部 静岡県代表 ヤマハ吹奏楽団静岡 (指揮 : 原田元吉) 金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 : ヤマハ・コンチェルト (V.ネリベル)この年は、作曲者が、ヤマハの為に書いてくれた曲での出場。昭和41年初出場して初優勝して以来、常に職場の部の上位にあったヤマハ。サウンド自体に個性はないけど、楽器メーカーらしく、ひとつひとつの楽器の音を忠実に表現する演奏が好感を持たれるのでしょう。
1 東京支部 東京都代表 ヤマハ吹奏楽団東京 (指揮 : 高倉正巳) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
歌劇「キャンディード」序曲 (L.バーンスタイン)
3 東北支部 岩手県代表 新日本製鉄釜石吹奏楽団 (指揮 : 西村昌次) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
歌劇「アレッサンドロ・ストラデルラ」 (F.フロトー)
4 中国支部 広島県代表 電電中国吹奏楽団 (指揮 : 佐藤正二郎) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
歌劇「運命の力」序曲 (G.ヴェルディ)
6 北海道支部 日胆地区代表 新日本製鉄室蘭製鉄所吹奏楽団 (指揮 : 小田才助) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
歌劇「フィデリオ」序曲 (L.V.ベートーヴェン)
8 関西支部 兵庫県代表 石川島播磨重工業相生音楽研究会 (指揮 : 西角義一) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
序曲「イシターの凱旋」 (J.オリヴァドーティ)
5 関東支部 茨城県代表 日立鉱業所吹奏楽団 (指揮 : 本間登志男) 銅賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
バンドのためのファンファーレとソリロクイ (T.シャープ)
3年連続優勝特別演奏 関西支部 大阪府代表 阪急百貨店吹奏楽団 (指揮 : 鈴木竹男)
序曲「1812年」/P.チャイコフスキー


4 東海支部 愛知県代表 蒲郡市吹奏楽団 (指揮 : 山本誘)金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
序曲「ローマの謝肉祭」 (H.ベルリオーズ)絞まりのあるサウンドと、シンフォニックなサウンドで、クラシックのアレンジものを、安定して演奏する蒲郡。このバンドはかつての中学校の名門、蒲郡中学校の卒業生を中心としたバンド。その為か、基礎がしっかりしているので、聞いてて、不安感がないのが、素晴らしかった。後半のアンサンブルもお見事。この後、一般の部を代表するバンドとしてかずかずの名演を残す事になる。
5 関西支部 兵庫県代表 尼崎市吹奏楽団 (指揮 : 辻井清幸) 金賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 : ハンガリー行進曲 (H.ベルリオーズ)長いキャリアで、いまだに日本のトップクラスにいるバンド。この時代から、アンサンブルの確かさ、木管の音の重厚な響きは、既に培われていたようですね。たま〜にアンサンブルがこけるのはご愛敬で、いまだにトップクラスに君臨するその基礎の部分が、この演奏でよ〜くわかります。
1 中国支部 島根県代表 出雲吹奏楽団 (指揮 : 矢田稔雄) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
「エグモント」序曲 (L.V.ベートーヴェン)
2 関東支部 千葉県代表 船橋吹奏楽団 (指揮 : 武藤英明) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
楽劇「神々の黄昏」 より ジークフリートのラインの旅 (R.ワーグナー)
6 東京支部 東京都代表 乗泉寺吹奏楽団 (指揮 : 吉田太美男) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
バンドのための序曲 (F.メンデルスゾーン)
7 北海道支部 札幌地区代表 札幌青年交響吹奏楽団 (指揮 : 坂井繁) 銀賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
楽劇「神々の黄昏」 より ジークフリートの葬送行進曲(R.ワーグナー)
3 東北支部 岩手県代表 北上市吹奏楽団 (指揮 : 沢藤彰則) 銅賞
課題曲 : 音楽祭のプレリュード (A.リード)
自由曲 :
シバの女王 (C.グノー)