4 中国支部 島根県代表 出雲市立第一中学校吹奏楽部 (指揮 : 渡部修明) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 序曲「ローマの謝肉祭」 (H.ベルリオーズ)前年、華麗に復活した出雲。今年も課題曲の模範的な表現力で圧倒。自由曲は、コンクールではお馴染の曲。正確な音符の再現と、躍動感溢れるアンサンブルで、今年も中学生としては完璧な演奏を残した。第二期黄金時代が安定的にスタートした感じか。そして2年後の76年、出雲は再び、吹奏楽の歴史を塗り替える名演を残す事になる。 |
6 西部支部 沖縄県代表 那覇市立石田中学校吹奏楽部 (指揮 : 大城政明) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 交響曲第4番 より 第4楽章 (P.チャイコフスキー)70年に、北九州の響南中が歴史的な名演を残し、その年の金賞4団体のうち3団体が取り上げた、この曲。そうそうその前に、福岡電波の名演もある。その曲を取り上げたのが、沖縄の石田中。この石田のチャイコフスキー4番は、過去の名演を全て押し流すぐらいの勢いを持った演奏だった。冒頭のパッセージは、審査員として、魔術のようだったと言わしめ、沖縄サウンド独特のマイルドな質感、全体のアンサンブル力等、申し分ない。細かなミスはあるものの、それを全く感じさせない圧倒的な演奏だったと言える。しばらくはこの感動の余韻に浸りたい気分だった。 |
7 東京支部 東京都代表 豊島区立第十中学校吹奏楽部 (指揮 : 酒井正幸) 金賞 5年連続金賞受賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 幻想交響曲 より 終楽章 ワルプルギスの夜の夢 (H.ベルリオーズ)72年に、山王中が、名演を残した楽曲。豊島はまた違った解釈で、山王中とは違った趣の名演を残した。細かいフレーズの表現力は山王の名演には及ばないものの、都会らしい垢抜けたサウンドと、圧倒的なアンサンブル力で、5年連続金賞を受賞した。 |
8 関西支部 兵庫県代表 西宮市立今津中学校吹奏楽部 (指揮 : 得津武史) 金賞 5年連続金賞受賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : トッカータとフーガ ニ短調 (J.S.バッハ)まず、課題曲の完璧な 響きと迫力と、その演奏力の確かさに圧倒される。おそらくこの課題曲の中では全部門を通じて最高の名演だったろう。吹奏楽シーンにとっても、ある意味、エポックメイキングな演奏だったと思う。ドラムセットの使い方、ブラスのフレーズ、木管のパッセージ、そのどれを取っても完璧だった。特にリズム感の良さには脱帽。一転して、自由曲では、少々粗が目立つが、あの課題曲の後で、この曲に気持ちを切り替えるのも大変だったろう。いずれにしても、あの課題曲の名演の前では、どんな自由曲であっても、金賞は当然の事。今津中も、これで5年連続金賞を受賞した。 |
11 東北支部 秋田県代表 秋田市立山王中学校吹奏楽部 (指揮 : 木内博) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : スペイン奇想曲 より 第3、4、5楽章 (N.リムスキー=コルサコフ/木内博)しっかりと独自の山王サウンドが構築されたこのバンド。課題曲は、アンサンブルの乱れもなく、模範的な演奏を展開。クラリネットによる重厚な響きも美しい。ただ、若干、木管系とブラス系のサウンドがブレンドされきっていない感じが残念。後半ティンパニーのDのチューニングが、フラット気味だったのも惜しい。さて、続いての自由曲では更に完璧なアンサンブルで、名演を残した。どうやら、この指揮者はスペインものがお得意らしい。あとこのバンドは特に木管系が素晴らしく、この曲でもそれが思う存分発揮されている。これも、歴史的な名演のひとつとして語り継がれている。もしこの年、順位制だったら、かなりもめる事になっただろう。中学校の部としては72年に次ぐ、上位校のレベルの非常に高い年だった。ところで、この山王中、1年前の1973年は、東北大会で、青森の湊中に破れ、全国大会に出てこれなかったという経緯がある。この年は、楽器とも新たに買い揃え、万全の体制で臨んだそうだ。それにしても、クラリネットのソロに代表される個々のテクニックといい、一糸乱れなぬアンサンブルといい、課題曲の出来は、今津中に譲ったものの、自由曲の完成度感銘度においては、他の中学の部の団体を圧倒していた。歴史的初演と言えるだろう。 |
1 東北支部 青森県代表 八戸市立湊中学校吹奏楽部 (指揮 : 新井山雅行) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 (R.シュトラウス)前年は、強豪の山王中を破って、東北代表として全国大会にやってきた、湊中。この年は、代表枠が広がったこともあって、またまた山王中と共に、全国大会に駒を進めてきた。課題曲は、出演順が1番という事もあったのか、やや波に乗りきれない感じがした。少々ゆったりしすぎたかな。あと、木管系のピッチが若干不安定なのも気になる。音も、まだ暖まり切っていない楽器から出された感じは否めない。しかし、銅賞なしというレベルの中、銀賞団体中、自由曲では名演を残した。去年は「魔法使いの弟子」を取り上げるなど、選曲の斬新さとセンスの良さが光る。サウンドはブラス系が少々乱暴な感じで、木管系を潰してしまうのが残念。今後のサウンドの構築に期待。この曲は、恐らくこれがコンクール初演? |
2 関東支部 新潟県代表 糸魚川市立糸魚川中学校吹奏楽部 (指揮 : 福田伊治) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 狂詩曲「ジェリコ」 (M.グールド) |
3 北陸支部 福井県代表 春江中学校吹奏楽部 (指揮 : 坪田健夫) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : トッカータ (G.フレスコバルディ) |
5 四国支部 愛媛県代表 拓南中学校吹奏楽部 (指揮 : 吉田雅彦) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 交響詩「呪われた狩人」 (C.フランク) |
9 関東支部 山梨県代表 富士吉田市立明見中学校吹奏楽部 (指揮 : 平野廣海) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 朝鮮民謡による変奏曲 (J.B.チャンス)とにかく、金賞団体のレベルが高すぎて、かなりいい演奏をしても銀賞どまりというこの年。今もコンクールの常連曲となった「朝鮮民謡による変奏曲」を取り上げたこの学校も、伝統のある中学校のひとつ。丁寧なテーマの提示、バリエーションのアンサンブルの確かさ。この学校はここ最近、東洋的なメロディを持った楽曲を選曲しているが、その姿勢も評価したい。 |
10 東海支部 愛知県代表 蒲郡市立蒲郡中学校吹奏楽部 (指揮 : 小川和人) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 交響曲第6番 より 第4楽章 (P.チャイコフスキー)この学校も伝統ある名門のひとつ。一般の部の蒲郡吹奏楽団はここの卒業生を中心としているらしい。今年は、悲愴をとりあげ、チャイコフスキーの抑圧された精神状態を見事に表現している。和声の安定ぶりといい、表現力といい、銀賞団体の中でも突出していた。 |
12 北海道支部 旭川地区代表 旭川市立常盤中学校吹奏楽部 (指揮 : 戸浪扶) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : トッカータとフーガ ニ短調 (J.S.バッハ) |
13 関西支部 兵庫県代表 西宮市立上甲子園中学校吹奏楽部 (指揮 : 南広高) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : バレエ組曲「シルヴィア」 より バッカスの行進と行列 (L.ドリーブ) |
14 関西支部 兵庫県代表 三木市立三木中学校吹奏楽部 (指揮 : 長谷川知) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 組曲「惑星」 より 木星 (G.ホルスト)なんと関西代表3団体全てが「高度な技術への指標」という所が、なんとも関西らしい。この課題曲は、今津が、全部門を通じての名演を出してしまった後だけに、ちとつらいものはあるが、この団体の演奏は、ドラマー君の活躍が、非常に躍動感あって、好きだった。個々のアンサンブル力はまだまだこれからという感じ。自由曲も、まだまだ改善の余地あり状態。しかし、その後の努力で、77年に全日本金賞まで、登り詰めた努力はお見事。 |
15 北海道支部 日胆地区代表 滝川市立江陵中学校吹奏楽部 (指揮 : 松浦真) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 楽劇「神々の黄昏」 より ジークフリートの葬送行進曲 (R.ワーグナー)この年は、サウンドのバランスが非常によくなって来ている。課題曲は非常に安定した好演。旋律の歌い方も非常に主張があっていいが、ピッチがやや不安定なのが、残念。が、後半のクライマックスでのトゥッティでは、サウンドが非常に安定していた。自由曲もワーグナーの情感を的確に表現した好演だったと思う。しかし、金賞を受賞した上位団体の演奏の完成度が高すぎる・・・・。 |
3 西部支部 沖縄県代表 沖縄県立首里高等学校吹奏楽部 (指揮 : 崎山用豊) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 歌劇「ローエングリン」 より エルザの大聖堂への行列 (R.ワーグナー)この年、2団体という貴重な金賞を受賞したのが、沖縄の名門、首里。この年のこの曲の演奏は、本当に心洗われる名演だった。音楽を奏でるという事、音で語りかけるという事が、非常に的確になされた演奏だった。課題曲は、自由曲とは打って変わって、情熱とパッションに溢れる、これも名演を聴かせてくれた。課題曲の音源を提供してくれた、てるりんさん、どうもありがとう。それにしても、エルザをここまで感動的に歌い上げる名演は、この演奏の後、出会った事は一度もない。 |
13 関東支部 千葉県代表 千葉県立銚子商業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 小澤俊朗) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : トッカータとフーガ ニ短調 (J.S.バッハ)数少ない金賞を受賞したもうひとつが銚子商業。お馴染の自由曲での受賞。音の暴力的演奏が続いたせいか、こうしたおとなしく、クラシカルな曲を選んだ団体が、金賞を勝ち得たようだ。この演奏、特に、どこがどうという事はなかったが、ブラスを押さえたシンフォニックな響きと、重厚なサウンドづくりが、金賞受賞に繋がったのだろう。 |
1 北陸支部 富山県代表 富山県立富山商業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 坪島照信) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 歌劇「タンホイザー」序曲 (R.ワーグナー)課題曲がとにかくテンポが速い速い・・・・。自由曲に大曲が控えていたとはいえ、このテンポでは、あの課題曲の細かいフレーズを満遍なく表現し尽くすのは困難ではある。しかし、そんなテンポにも関わらず、ほとんどの楽器が遅れることなく付いて行っているのは、これまた凄い。が、やはり細かい譜割りや主題を提示するトランペットの細かいパッセージ等が不明瞭になってしまったのはいた仕方ないとしても残念。スウィングの部分もテンポが音楽全体を気ぜわしいものにしてしまった。唯一ビギンの部分で、アンサンブルが立ち直りを見せる。がその後も、エンディングに向けて、ただひたすら走る走る・・・・。が、サックスをのぞいて、非常にピッチが安定していたのは、救いだった。そして自由曲。ワーグナーの大曲を取り上げた。ワーグナーのレガート奏法は、あの課題曲の後ながらも、しっかりと表現されていたが、トロンボーンのピッチが不安定になったり、いまひとつサウンドにエッジが無かったりと、最後まで緊張感を持続できなかったのが残念だった。結局、課題曲も自由曲もと、欲張りすぎた感じで、その辺を選曲も含めてうまく整理できていれば、バンドとしてのレベルは非常に高い学校なので、評価も違っていたかも知れない。ちなみに、この音源は、当時部員だったという青井さんに聴かせていただきました。貴重な資料をご提供いただき非常に感謝しております。 |
2 北海道支部 空知地区代表 北海道滝川高等学校吹奏楽部 (指揮 : 広瀬文彦) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 歌劇「サムソンとデリラ」 より バッカナール (C.サン=サーンス) |
4 東海支部 愛知県代表 名古屋電気工業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 松井郁雄) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : "聖ヨハネ黙示録による“第七の封印" (F.マクベス)金賞2団体という悲愴感漂う中、自由曲では、それなりに名演も誕生している。ネリベルがお得意なこの学校がこの年選んだのは、マクベス。マクベス独特の音世界を演出するのには成功している。ただ、全体的に乾いた感じの音楽になっているのが残念。しかし、サウンドの安定度は前年より改善されていると思う。 |
5 東京支部 東京都代表 玉川学園高等部吹奏楽団 (指揮 : 高浪晋一) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 組曲「惑星」 より 木星 (G.ホルスト) |
6 関西支部 兵庫県代表 兵庫県立兵庫高等学校吹奏楽部 (指揮 : 吉永陽一) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 朝鮮民謡による変奏曲 (J.B.チャンス) |
7 関西支部 奈良県代表 天理高等学校吹奏楽部 (指揮 : 谷口真) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 「ハムレット」への音楽 より エルシノア城、役者たちの登場、クローディアス王の宮廷 (A.リード)この常連校も、金賞には及ばず。この頃の高校の部のサウンドの低迷は、何が原因だったんだろう。去年の全国大会でも、サウンド的に金賞ではないのでは・・・・という団体がいくつかあった。おそらく、吹奏楽がよりシンフォニックなサウンドへと移行、模索していた時代だったのだろう。それをいち早く的確に表現したのが、中学校の部であり、もたもたしていたのが高校の部という感じか。この年の天理も、サウンドが非常に乾燥しきっているのが気になった。課題曲は、このポップスの難曲をこなしているが、中学の部で今津がああいう演奏すると、高校生でこのレベルでは満足しえなかったのかも知れない。それか或いは、審査員が単純にこの課題曲が嫌いだったのか。そういえば、当時のバンドジャーナルの高校の部の講評に、ポップス系課題曲に対する審査員からの苦言が書かれていたっけ。ただ、ペットが重要な曲なのに、そのペットが不調だったり、サックスや木管系のピッチが不安定なのも気になる。しかし、自由曲では一転して、リードの持つ独特の世界をしっかりと表現しきっていた。 |
8 関東支部 群馬県代表 群馬県立前橋商業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 大木隆明) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 吹奏楽のための木挽歌 (小山清茂)和風サウンドを好んで取り上げていた前橋。個々の楽器の完成度は高い。が音のブレンドがいまひとつか。あとは、全体的にまったりしているのが、気になる。和風のサウンドというのは、ふんどしを締める時のような、あういうきりり感がないと、音楽全体がすっきりとしない。 |
9 東北支部 秋田県代表 秋田県立花輪高等学校吹奏楽部 (指揮 : 佐藤修一) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 組曲「展覧会の絵」 (M.ムソルグスキー)課題曲は、ポップス系に挑戦。安定感のあるアンサンブルと、几帳面なリズム感が心地よい。ブラス系のサウンドも、艶があって、耳当たりが良い。ただ、その分、全体的に盛り上がりに欠けるのも事実で、その辺りが非常に惜しい。それと、木管系のピッチがいまひとつ揃い切ってなかったのも残念。しかし、全体として、完成度は相当高かったと思う。あと、ハイハットのスウィング、ドラムの乗りも、非常に良かった。自由曲は、今年もアレンジものを、取り上げた花輪。しかし、例年のような、冴えたサウンドは出てこない。この年、高校の部何があったのか、知ってる人は教えて欲しいぐらいだ。ピッチも音程感もいまひとつ。しかし、後半のアンサンブルは、しっかりとして立ち直っていた。 |
10 関西支部 大阪府代表 大阪府立淀川工業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 丸谷明夫) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 序曲「リシルド」 (G.パレ) |
11 東北支部 秋田県代表 秋田県立秋田南高等学校吹奏楽部 (指揮 : 高橋紘一) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 交響組曲「シェエラザード」 より 第2楽章 (N.リムスキー・コルサコフ)課題曲は、テンポ設定がやや早い感じ。その分、詠い方が足りず、せせこましい感じもする。しかし、ブラス系のサウンドを中心とした輝きは、東北のバンド特有のものなのか。とにかく、サウンドそのものは、銀賞団体の中でも上位にあったと思われる。自由曲も、フルートを筆頭に木管系の豊かなサウンド、アンサンブル力は秀逸。しかし、時折ピッチが不安定になるのが、なんとも惜しい。そういえば、この時のフルートは、のちに作曲家編曲家として大活躍する、天野正道氏だったらしい。 |
12 四国支部 香川県代表 香川県立観音寺第一高等学校吹奏楽部 (指揮 : 村山英一) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 交響詩「わが祖国」 より モルダウ (B.スメタナ) |
14 北海道支部 札幌地区代表 札幌光星高等学校吹奏楽部 (指揮 : 坂井繁) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 組曲第2番 より ファンファーレ、スケルツォ (R.ジェイガー) |
15 中国支部 広島県代表 広島市立基町高等学校吹奏楽部 (指揮 : 増広卓三) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 古典序曲 (F.ゴセック) |
6 関西支部 兵庫県代表 関西学院大学応援団総部吹奏楽部 (指揮 : 白井真一) 金賞 5年連続金賞受賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 交響的断章 (V.ネリベル)この団体の自由曲はお見事だった。この前も後も何度かコンクールにこの曲は登場しているが、この演奏を上回る演奏はない。ネリベルのもつ独特な空間、一糸乱れぬアンサンブル、サウンドの統一性、いずれを取っても、この年を代表する名演だった事は間違いない。イントロの部分の確固とした立て割りサウンド、リズム感の完璧さ、そして木管系の鋭角的で重厚なサウンド、ネリベルの音楽の表現者としては、これ以上ないサウンドを持っての5年連続金賞受賞演奏だった。 |
7 東京支部 東京都代表 駒沢大学吹奏楽部 (指揮 : 上埜孝) 金賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 組曲「ハーリ・ヤーノシュ」 (Z.コダーイ)課題曲は、やはり、ポップス系を選んできた駒澤。今津中の演奏も良かったが、こちらは、ペット群によるテーマの提示に、非常に躍動感があった。ただ、若干、荒っぽい部分があったのが、残念。しかし、4ビートの扱いや、ドラムスのフィル等は、東京の大学生らしさが爆発。ただ、エンディングで、楽譜にない音程まで出したのは、ちょっとやり過ぎ・・・・という感じはしたが。でもブルーノート・スケールならば、入って当然の音なので、音楽としては、大成功。さて、自由曲は、これが全国大会初演になるのかな。この演奏以来、21世紀になっても、演奏されるコンクール常連曲となった。このバンドは、ブラス系の響きが非常に安定しているので、最後まで聴き手を離さない。課題曲自由曲共に、74年の名演のひとつを残してくれた。このバンドは、70年、全国大会に出場していないので、5年連続金賞は、次の年へお預けとなった。 |
1 東海支部 三重県代表 三重大学吹奏楽団 (指揮 : 沖公智) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 平和の祭り (R.ニクソン) |
2 関東支部 神奈川県代表 神奈川大学吹奏楽部 (指揮 : 谷口剛範) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : アレキーノ (L.J.ブルーネリ) |
3 東北支部 宮城県代表 東北学院大学シンフォニック・ウインド・アンサンブル (指揮: 鹿野浩一) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : ダイヤモンド・ヴァリエーション (R.ジェイガー) |
5 西部支部 沖縄県代表 琉球大学吹奏楽部 (指揮 : 諸見川利雄) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : プレリュード、コラールとフーガ (J.S.バッハ) |
4 北陸支部 福井県代表 金井学園吹奏楽団 (指揮 : 畑中好哉) 銅賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 吹奏楽のための交響曲 より 第2・3楽章 (R.ジェイガー) |
5 関西支部 大阪府代表 阪急百貨店吹奏楽団 (指揮 : 鈴木竹男) 金賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 喜歌劇「ジプシー男爵」 (J.シュトラウス)まずは課題曲の解釈の仕方が面白かった。前半のマーチ風のところからスウィングしている。こういう解釈もあったのか・・・・とちょっと面白かった。自由曲は一転して、お得意のクラシックのアレンジもの。サウンドもしっかりと切り替えて、さすが大人のバンドだ。阪急はシュトラウスがお好きみたい。 |
8 西部支部 福岡県代表 ブリヂストンタイヤ久留米工場吹奏楽団 (指揮 : 小山卯三郎) 金賞 5年連続金賞受賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 歌劇「売られた花嫁」序曲 (B.スメタナ)相変わらず重厚なサウンドを聞かせるブリジストン。しかし、冒頭からクラリネットの細かいパッセージが、少々息切れ気味なのが難と言えば難。なんか聞いてる方が息詰まる感じ・・・・。中学校の部で、石田中が完ぺきなまでのパッセージを表現していただけに、聞く方も少々欲が出てしまう。70年に金賞制度に移行してからこれで5年。高校の部以外は、5年連続金賞ラッシュとなった。ブリジストンも勿論、5年連続金賞受賞。 |
1 中国支部 岡山県代表 三井造船玉野造船所吹奏楽部 (指揮 : 植田能生) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 聖歌と祭り (F.マクベス) |
3 北海道支部 日胆地区代表 新日本製鉄室蘭製鉄所吹奏楽団 (指揮 : 村田清治) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 歌劇「運命の力」序曲 (G.ヴェルディ) |
6 北陸支部 福井県代表 福井銀行吹奏楽団 (指揮 : 武曽豊治) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : シンフォニア・ノビリッシマ (R.ジェイガー) |
7 東京支部 東京都代表 電電東京吹奏楽団 (指揮 : 小野照三) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : シンフォニア・ノビリッシマ (R.ジェイガー)課題曲は、少々細かいミスはあるものの、ダイナミックレンジの広いサウンドで無難にこなした感じか。課題曲は、大人信ではお馴染の楽曲。非常にはつらつとした演奏ではあるが、その分、雑な部分も目立ったのも確か。ペットのソロのミスも、目立つ場所だけに惜しい。前半はややテンポ設定を速くしすぎたのかも知れない。中間部の歌い方は、それに反して、心地よい。後半、盛り上がりは作ったものの、ペット系の細かいミスはさいごまで尾を引いてしまった。残念。 |
10 東海支部 愛知県代表 新日本製鉄名古屋製鉄所吹奏楽部 (指揮 : 平田惣一) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : ジュビラント序曲 (A.リード) |
2 関東支部 神奈川県代表 日本電気玉川吹奏楽団 (指揮 : 小沢一郎) 銅賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 聖歌と祭り (F.マクベス) |
4 四国支部 香川県代表 高松市役所吹奏楽団 (指揮 : 川元義秀) 銅賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : シンフォニア・ノビリッシマ (R.ジェイガー) |
9 東北支部 岩手県代表 新日本製鉄釜石製鉄所吹奏楽団 (指揮 : 西村昌次) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 交響曲第2番 より 第1楽章 (A.ボロディン) |
3 東京支部 東京都代表 瑞穂青少年吹奏楽団 (指揮 : 牟田久寿) 金賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : シンフォニア・ノビリッシマ (R.ジェイガー)いやはや、非常に大人な課題曲Bという感じだった。普段からポップス系の演奏をしているのだろう、冒頭のファンファーレから、そのノリが別世界を作り上げていた。スウィングの部分のノリの良さも抜群で、4ビートをここまで消化しきっていたのは、このバンドだけかも知れない。後半のサックスアンサンブルは少々やりすぎの感もあったが、終盤では、サンバでとにかく押していくバンドが多い中、しっかりと全ての要素を明確に表現した、秀逸な課題曲だった。この演奏でほぼ金賞を手中にしたが、自由曲は、吹奏楽シーンではお馴染のこの曲。サウンドと演奏に切れがあるこのバンドならではの表現力で、聞く側を楽しくさせてくれるのがいい。オーボエのソロの部分を、コルネット奏者が引き受け、感動的なソロを聞かせてくれた。とにかく躍動感溢れる演奏。鬼に金棒的な演奏で、問題なく金賞を受賞した。 |
7 東海 支部 愛知県代表 蒲郡市吹奏楽団 (指揮 : 中井勝) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : ハンガリー狂詩曲第2番 (F.リスト)う〜ん、安定している。こういう曲って、出だしの一発目の音で、東欧の抑圧された感じを表現出きるかどうかで、全体が決まって来るんだけど、ものの見事に成功している。深みのある木管系の音といい、アンサンブル力といい、とにかく、全ての音がよく鳴り響いていた。 |
1 関西支部 兵庫県代表 尼崎市吹奏楽団 (指揮 : 辻井清幸) 銀賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 歌劇「どろぼうかささぎ」序曲 (G.ロッシーニ) |
2 西部支部 福岡県代表 MSC吹奏楽団 (指揮 : 黒岩汪介) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : プロローグ・アンド・ページェント (J.スピアーズ) |
4 中国支部 広島県代表 舟入高校OB吹奏楽団 (指揮 : 井尻勝) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 小交響曲「ディヴァージェンツ」 (F.マクベス) |
8 北海道支部 旭川地区代表 旭川市青少年吹奏楽団 (指揮 : 松浦欣也) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのシンフォニア (小林徹) 自由曲 : 楽劇「神々の黄昏」 より ジークフリートの葬送行進曲 (R.ワーグナー)ワーグナーのおどろおどろしい曲を取り上げた旭川。銀賞団体中でも、名演を残した。特に木管系のサウンドの質感と深みが素晴らしい。ブラス系のサウンドが、もっと耳当たりよく、ブレンドされれば、非常にいいサウンドを表現する団体になる事だろう。 |
5 関東支部 山梨県代表 富士吉田吹奏楽団 (指揮 : 和田昭二) 銅賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : 「大いなる秋田」 より 「第1楽章〜黎明」(石井歓)このバンドも、阪急百貨店と同じく、課題曲の最初のマーチをスウィングしていた。しかし、ペットでの主題の提示がいまひとつ不鮮明なまま終わってしまったのが残念。中間部でのドラミングは、性格にリズムを刻んでいるんだけど、おかず系がいまひとつ。アマチュアの限界なのか。しかし、木管も含めて全体的にピッチが不安定なのはいただけない。後半に郁にしたがって、サウンドに艶は出てきたが、ポップス系の持つ音楽の楽しさは、結局伝わってこなかった。自由曲は一転して、サウンドも安定して、情感のある音楽を表現していた。 |
6 東北支部 秋田県代表 横手吹奏楽団 (指揮 : 小川文男) 銅賞 課題曲 B : 高度な技術への指標 (河辺公一) 自由曲 : ファンタジア ト短調 (J.S.バッハ)課題曲は、非常に勇壮なでだしだったが、テンポ設定が速いためか、ペットによる主題は、しっかり再現されず、非常に不安定な前半部だった。中間部も、スウィングはしているものの、テンポが速すぎる感が強い。そのため統べてのアンサンブルが崩れてしまったのが、残念。後半も結果は同じだった。更にテンポアップしてしまう始末で、別の意味で圧倒された。さて、自由曲。でだしから、主旋律よりも、オブリガートの方が強く出たりと、まだ音楽が整理しきれていない感じだった。よく耳を傾けると、非常にいい音を紡ぎ出す楽器もあって、これからまだまだ伸びていく要素の多いバンドという印象も受けた。 |