7 中国支部 島根県代表 出雲市立第二中学校吹奏楽部 (指揮 : 渡部修明) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
バレエ組曲「三角帽子」 より 粉屋の踊り、終幕の踊り (M.ファリャ/岩井直溥)いかにも、王者の貫禄漂う演奏。決してがなりたてない、ボリューム感がまずは素晴らしい。アンサンブルの素晴らしさはいうまでもなく、それぞれの楽器のサウンドの艶が、全体的にうまくブレンドされて、非常に耳当たりのいい世界を作り出している。特に、ブラス系のサウンドの艶は、中学生の部のなかでも、ずぬけている。楽譜に描かれた音の全てが、しっかりと音楽となって登場し、それでいてしっかりと、主張すべき音が前面に出てくる・・・・音楽の基本をよくわきまえた、素晴らしい金賞の演奏だった。
10 北海道支部 旭川地区代表 旭川市立神居中学校吹奏楽部 (指揮 : 栗山晃) 金賞 初出場
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 瞑と舞 (池上敏)冒頭から非常に表情のある、ピッコロや木管系のサウンドが、これから始まる絵巻の提示をしっかりと行う。予感や期待感のある始まりってなかなか難しいんだけど、それをしっかりやってのける力は立派。ダイナミックレンジの広いサウンドだけでなく、アンサンブルも、しっかりと線が揃っているのがいい。圧倒的な感動を誘う演奏・・・・とまではいかないものの、淡々と最後まで息切れする事なく演じきるのは、お見事。
18 関西支部 大阪府代表 大阪市立城陽中学校吹奏楽部 (指揮 : 神出有光) 金賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 : バレエ音楽「恋は魔術師」 より パントマイム、火祭りの踊り (M.ファリャ/藤田玄播)昨年全日本に初出場した城陽中。この1年の間に非常に安定感のある、パッショネイトなサウンドを構築して来た。それと、大阪人の気質に、ラテンものは合っているのかも知れない。まだまだ荒削りな部分もあるが、まだまだ伸びていく大きな可能性を秘めたバンドである事は間違いない。また課題曲完成度も非常に高く、安定していながらも、躍動感のある音楽を聴かせてくれた。
19 東京支部 東京都代表 足立区立第十四中学校吹奏楽部 (指揮 : 原田徹) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
交響詩「海」 より 風と海との対話 (C.ドビュッシー/八田泰一)ピッチの安定度が非常にいいバンドだ。が、全体的にミスが多く、いまひとつ、普段の力が発揮出せなかった感は否めない。80年代前半は、高校の部が異常に、レベルが高くて、中学校の部は、レベルがどんどん落ちていった・・・・なんて言ってた人もいたけど、レベルどうのこうのよりは、音楽を合わせる時間が、時代的に非常に少なくなっていたのでは・・・・という感じがしてならない。特に、大都会東京の学校は大変だった事だろう。ただ、サウンドそのものは、非常にダイナミックレンジの広い、安定したものを持っている。
20 関西支部 兵庫県代表 西宮市立上甲子園中学校吹奏楽部 (指揮 : 南広高) 金賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 :
歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 (G.ヴェルディ/V.サフラネク)バンド全体というよりは、個人のテクニックが非常に高いバンドだ。中間部のサックスのソロなんてのは、もう大人顔負け。こういう情感を的確に表現するプレイヤーがいるというのは、心強い事だろう。後半のアンサンブルも緻密で、選曲もこのバンドにぴったりだったと思う。最後のクライマックスまで息切れせずに音楽を維持したのは、立派。
25 北陸支部 福井県代表 敦賀市立粟野中学校吹奏楽部 (指揮 : 荒木則通) 金賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 :
吹奏楽のための序曲「火の伝説」 (櫛田(月失)之扶)
1 関東支部 山梨県代表 大月市立大月東中学校吹奏楽部 (指揮 : 平野廣海) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 歌劇「ファウスト」のバレエ音楽 より 1・3・終曲 (C.グノー/藤田玄播)
プログラムはトップ。指揮は、コンクール常連の先生。そのせいか、トップ出場のサウンドへの影響はほとんど感じられない。アンサンブルば非常に見事なんだけど、いまひとつ音楽的な主張や歌い上げが感じられないような気がする。しかしかなりレベルの高い銀賞なのは間違いない。
2 東北支部 青森県代表 弘前市立第三中学校吹奏楽部 (指揮 : 一戸則夫) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : アルメニアン・ダンス・パートII より ロリの歌 (A.リード)
冒頭から、きらびやかで、重量感のあるブラスサウンドがこだまする。あと非常にアンサンブル力のあるバンドだ。ただ、抜けというか、サウンドにもう少し明瞭感が出れば、もっと主張のある音楽になっていただろう。後半になって、ブラス系がやたらと暴走するのは、いただけない。
3 関東支部 栃木県代表 小山市立間々田中学校吹奏楽部 (指揮 : 藤尾裕) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : エル・サロン・メヒコ (A.コープランド/M.ハインズレイ)
非常に安定感のあるサウンドを持ったバンドだ。サックスを中心とした木管系の艶のあるサウンドも素晴らしい。クラリネットの音がもう少々引き締まると、サウンド全体が締まったかも知れない。しかし、音楽的な部分も含めて、レベルの高い演奏だったと思う。
4 東京支部 東京都代表 練馬区立田柄中学校吹奏楽部 (指揮 : 塚田誠) 銀賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 : 交響曲 より 第4楽章 (矢代秋雄/上原圭嗣)
パワフルでダイナミックレンジの広いサウンドを持つこのバンド。全体的にピッチがやや不安定なのが惜しい。トゥッティでもその不安定さが、音楽的な情感を邪魔してしまう。しかし、アンサンブルを含めた、テクニックはかなりのレベルにある。
5 関西支部 兵庫県代表 伊丹市立伊丹東中学校吹奏楽部 (指揮 : 永澤譲) 銀賞
課題曲 C : シンフォニック・マーチ (斉藤正和/上岡洋一)
自由曲 : 交響組曲「シェエラザード」 より
第4楽章 バグダッドの祭、海、船の難破、終曲 (N.リムスキー・コルサコフ/永澤譲)冒頭のサウンドに主張が感じられないのが惜しい。こういう楽曲は、そいう分が一番大切なんだけどね。サックスによるカデンツァは、サウンドもいいし、よく頑張っているが、バイオリンぽくやりたいのか、そこから脱したいのかがいまひとつはっきりしない感じ。しかし、よくまとまりのある音楽を作り上げて来たと思う。サウンドのバランスももう一歩頑張って欲しかったね。
6 東海支部 静岡県代表 富士市立吉原第一中学校吹奏楽部 (指揮 : 佐野良夫) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 交響組曲「シェエラザード」 より 第4楽章 バグダッドの祭、海、船の難破 (N.リムスキー・コルサコフ/佐野良夫)
同じお馴染の曲が続く。非常に安定感のある演奏だけど、部分部分でサウンドが不明瞭になってしまうのが惜しい。コンクールの場では、この不明瞭さは、致命的。どんなにいいアンサンブルを見せても、金賞には届かない。しかし、半面、木管系を中心に非常に流麗なサウンドを出すバンドでもある。あと、曲の持つ情感・・・・これも少し足りなかったかな。
8 西部支部 宮崎県代表 都城市立祝吉中学校吹奏楽部 (指揮 : 椛山達巳) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 歌劇「コラ・ブルニョン」序曲 (D.カバレフスキー/D.ハンスバーガー)宮崎県というのは、中学の部に優秀な団体が多い。このバンドは、サウンドの固まり具合が素晴らしい。しかしその分、細かいフレーズが聞こえなかったりする部分もあるが・・・・。木管系のアンサンブルも、しっかりとしていて、音楽の情感がよく伝わって来る。しかし、この演奏力をもっと的確に表現出来る選曲があったのでは・・・・という感じもする。
9 東北支部 秋田県代表 湯沢市立湯沢南中学校吹奏楽部 (指揮 : 小西翔一) 銀賞
課題曲 A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 : 歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 (G.ヴェルディ/V.サフラネク)吹奏楽先進国、秋田からの登場。序章のためや、表現力は素晴らしかったが、じょじょに、音程の不安定さと、アンサンブルの乱れが目立ち、自滅してしまった感じか。しかし、サウンドのブレンド具合は心地よかった。
11 西部支部 宮崎県代表 宮崎市立大塚中学校吹奏楽部 (指揮 : 下之薗制勝) 銀賞 初出場
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 : 交響曲「メキシコの祭り」 より 第3楽章 カーニバル (O.リード)この曲のこの楽章をコンクールで聞くのは、珍しい。このバンドは、まだ 楽譜をきっちり吹き上げました・・・・という段階で、音楽的な歌い上げを表現するまでには至らなかった。しかし、ブラスサウンドの響きは非常に心地よく耳に入ってくる。伸び盛りのバンドなのだろう。
12 中国支部 山口県代表 下関市立玄洋中学校吹奏楽部 (指揮 : 竹中俊二) 銀賞 初出場
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 幻想交響曲 より 終楽章 ワルプルギスの夜の夢 (H.ベルリオーズ/藤田玄播)コンクールでも、数々の名演を残してきたこの自由曲。この曲は、ある意味、バンドサウンドの華やかさと、木管系のサウンドの憂いがなけば、情感をしっかりと表現する事は出来ないと思う。演奏するという段階では、及第点だが、情感を表現しきるまでには至らなかった。
13 東海支部 長野県代表 長野市立柳町中学校吹奏楽部 (指揮 : 内田満) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 交響組曲「寄港地」 より ヴァレンシア (J.イベール/内田満)
これも、コンクールではお馴染の曲。それだけに、かなり綿密に繊細な感覚で音楽作りを行わないと、金賞に到達する事は出来ない。このバンド、この曲を演じるのには最適なサウンドを持っている。しかしそのぶん、サウンドの焦点がぼやけていたのが残念。
14 中国支部 島根県代表 出雲市立第一中学校吹奏楽部 (指揮 : 錦織雄司) 銀賞
課題曲 A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 : 交響組曲「シェエラザード」 より 海とシンドバッドの船 (N.リムスキー・コルサコフ/錦織雄司)
曲もお馴染なら、このバンドは、輝かしい全国大会の歴史を持つバンドだ。指揮者自身のアレンジでの挑戦となった。しかし、そのアレンジが問題で、この楽曲の良さを引き出していたとは言い難かったのが残念。サウンドがしっかりしているバンドなだけに来年に期待したい。
15 関東支部 山梨県代表 甲府市立南西中学校吹奏楽部 (指揮 : 玄間博) 銀賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 : 祝典序曲 (D.ショスタコーヴィチ)
お馴染の自由曲が続く。ファンファーレがやや濁った感じで心配されたが、アンサンブルは軽快で心地よかった。しかし、そんな中でも、やはりサウンドの濁りは、なくならない。こういう和声のくしっかりした楽曲は、透明なサウンドでないと、きついかも。
16 東海支部 静岡県代表 島田市立島田第二中学校吹奏楽部 (指揮 : 首藤栄市) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : トッカータとフーガ ハ長調 (J.S.バッハ/藤田玄播)
コンクール常連のバンドなだけに、選曲もひねりを入れてきた。しかし、この曲が果たして吹奏楽に最適かどうかは疑わしい。サウンドが流麗に響いて来ない。もともと、しっかりとしたサウンドを持っているバンドだけに惜しい。しかし、放課後にこういう音楽が流れている学校ってのもいいな・・・・なんて事も考えたりして。
17 北海道支部 旭川地区代表 旭川市立常盤中学校吹奏楽部 (指揮 : 和田昌秀) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : スー族の旋律による変奏曲 (J.プロイアー)
21 西部支部 沖縄県代表 那覇市立石田中学校吹奏楽部 (指揮 : 屋比久勲) 銀賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 : 歌劇「ナブッコ」序曲 (G.ヴェルディ/L.カイリエ)
非常に安定したダイナミックレンジの広いサウンドと、余裕のある音楽作りが感じられる演奏だ。前の2団体と聴き比べても、なぜ、銀賞だったのか、首をかしげてしまう仕上がりだ。まあ、それはさておいて、ただ、若干ピッチが不安定なのと、サウンドが若干乾き気味なのが、気にはなる。あと、ソロ楽器ももう一息、踏ん張って欲しかった。が、後半のアンサンブルの緻密さと、表現力は、さすが、石田中という感じだった。
22 東北支部 青森県代表 八戸市立湊中学校吹奏楽部 (指揮 : 佐藤憲一) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : バレエ組曲「三角帽子」 より 終幕の踊り (M.ファリャ/岩井直溥)
非常に歴史のあるバンドで、コンクールの歴史の中にも、数々のエピソードを残してきた。アンサンブルといい、楽器のピッチの安定度といい、中学校としては、かなりのレベルにあるバンドだ。ただ、ときおりある細かいズレだけが、少々気になる。その他は、音楽的な表現力といい、個々のテクニックといい、非常に完成度の高いものを聴かせてくれた。
23 北陸支部 福井県代表 金津町立金津中学校吹奏楽部 (指揮 : 武井秀明) 銀賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 : シンフォニックバンドのためのパッサカリア (兼田敏)
24 四国支部 愛媛県代表 松山市立雄新中学校吹奏楽部 (指揮 : 鈴木清) 銀賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 : 歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 (G.ヴェルディ/鈴木清)
コンクールではおなじみの曲を、これまたコンクールではおなじみのバンドが演奏。このばんどのサックスプレイヤーも、非常に艶のある、流麗な響きを持っている。ソロの部分が美しかった。バンド全体としては、ブラス系が、やや乱暴すぎるきらいがある感じか。この辺のバランスがうまく取れれば、金賞を取れる素質を持ったバンドだと思う。


25団体中、15団体が金賞を受賞

2 関東支部 千葉県代表 習志野市立習志野高等学校吹奏楽部 (指揮 : 新妻寛) 金賞 初出場
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
交響組曲「寄港地」 より チュニスよりネフタ、ヴァレンシア (J.イベール/P.デュポン)

 後に伝説となる習高サウンドが全日本に初お目見えしたのが、この年。まだまだ荒削りな漢字がするのと、トゥッティで音程が不安定になる等、サウンドがしっかりと固まってはいないが、80年代の習志野を象徴する情熱的な音楽表現は、初出場にしてすでに、しっかりと提示されている。初出場金賞受賞で、部員の方々も、びっくりしたらしいが、しかし、説得力のある、堂々とした音楽を聴かせてくれた。ここから、栄光の伝説はスタートする。

3 東北支部 福島県代表 福島県立磐城高等学校吹奏楽部 (指揮 : 根本直人) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
バレエ音楽「中国の不思議な役人」 (B.バルトーク/根本直人)自由曲の冒頭から、ブラスサウンドが縦横無尽に飛び交う感じで、バルトークの語り部として、最適なサウンド作りをした努力に( ^_^)/V☆V\(^_^ )。東北のバンドらしく、隅々まで配慮の行き届いている音楽作りは、聴く者を安心させてくれる。アンサンブルモミごとで、この難曲をあっさりと演じきっているように聴かせる裏の努力は、相当なものがあったと思われる。この年は、秋田南高校が、招待演奏にまわったというのもあるが、このバンドが金賞を受賞した事で、東北地方の高校の部の層の厚さを、改めて見せつけられた。

 6 関西支部 奈良県代表 天理高等学校吹奏楽部 (指揮 : 新子菊雄) 金賞 5年連続金賞
課題曲 C : シンフォニック・マーチ (斉藤正和/上岡洋一)
自由曲 :
オセロ より プレリュード、オセロとデズデモーナ、宮廷への入場 (A.リード)

 74年に金賞を逸した時の自由曲での登場。確かに、あの時も、自由曲素晴らしい出来だった。しかし、この年は、その時をはるかに上回る、完璧な演奏だった。アンサンブルの乱れもまったくなく、音程も非常に安定した、歴史的な名演のひとつと言えるだろう。後に、この曲が、自由曲としてもてはやされる事になったのは、この天理の名演があったからこそだと言っても過言ではない。しかし、80年代の天理の演奏は、どれを取っても、非常にレベルが高いものだった。

7 中国支部 広島県代表 広島市立基町高等学校吹奏楽部 (指揮 : 増広卓三) 金賞
課題曲 C : シンフォニック・マーチ (斉藤正和/上岡洋一)
自由曲 :
序曲ハ調 (S.カテル/F.ゴールドマン)自由曲は地味ながらも、非常に基本に忠実的なまとまった演奏を聴かせてくれた。このバンド、2年連続6回目の出場となったが、6回目にして初めての金賞を手にした。との折、じゃっかん、アンサンブルが乱れる事はあるものの、音楽そのものが乱れないのがいい。サウンドも非常にダイナミックレンジが広く、鋭角的なので、こういうクラシカルな楽曲を表現するには、もってこいだったのかも知れない。

9 西部支部 福岡県代表 福岡県立嘉穂高等学校吹奏楽部 (指揮 : 竹森正貢) 金賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 :
バレエ音楽「ガイーヌ」 より アイシェの目覚めと踊り、レスギンカ舞曲 (A.ハチャトゥリアン/藤田玄播)課題曲は、非常にはつらつとした演奏で、作曲者の意図を非常に的確に表現しきっていた。音楽の本質であるメロディの表現の仕方が秀逸。この課題曲で、金賞はもう約束されたものだった。このバンドは、70年代初頭あたりから、常に高校の部のトップシーンで活躍する高校。いわゆる非常に吹奏楽らしいサウンドを持つバンドで、オリジナルもクラシックも、平均的によくこなすのが特徴だろうか。サウンドは非常に切れがいいのが特徴で、こういった楽曲は、特にお手のものだろう。この時代はちょうど高校の部のバンドがサウンド的にも音楽的にも変遷期にあった時代だが、その流れにもうまく乗ったのは、さすが。あとこのバンドはパーカッションのリズム感が素晴らしい。

10 東北支部 秋田県代表 秋田県立花輪高等学校吹奏楽部 (指揮 : 小林久仁郎) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
交響曲第3番 より 第1楽章 (S.プロコフィエフ/小林久仁郎)

 相変わらず、ここの指揮者は、埋もれた名曲を発掘して来る。花輪高校と言えば、そのシンフォニックなサウンドが有名だったが、この年は、非常にブラス系が大活躍するサウンドになっていた。少々、飛び出しすぎぐらいな感じもしたが、プロコフィエフの曲では仕方がないか。もっと木管系のサウンドが主張を持った方が、音楽的に締まるのではないかという着もするが・・・・。かつての花輪サウンドファンには、少々不満の残る演奏だった。

11 北陸支部 富山県代表 富山県立富山商業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 坪島照信) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
シンフォニエッタ より 第3・5楽章 (L.ヤナーチェク/上埜孝)冒頭から、非常に流麗なサウンドで、音楽の提示がなされる。東北のバンドは、高音系が非常に艶やかなサウンドを出すので、非常にサウンドがここちよい。それでいて、ダイナミックレンジも広いので、なにを音楽で主張したいのかがよく伝わってくる。ただ、随所に乱雑な部分もなるのは事実で、その辺のバランスが取れると、もっともっと音楽が安定するのではと思うのだが・・・・。しかし、この学校もキャリアが長い。

12 関東支部 埼玉県代表 川口市立川口高等学校吹奏楽部 (指揮 : 信国康博) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
吹奏楽のための「無言の変革」 より 問い (信国康博)まずは課題曲、非常に安定して、個々のテクの高さが伺いてれる演奏だ。ソロサックスの音色も非常に麗しい。さて、自由曲は、指揮者みずからの作曲による曲での参加。しかし、曲そのものは、魅力に欠けるもので、このバンドは、こんな事が出来ますよ・・・・的な紹介楽曲という感じは否めない。ただ、課題曲からの流れは、しっかりと構築しているのは、いい。そして、バンドの団員の個々のテクニックの高さが非常に圧巻。鋭角的な中にも、充分に艶とまろやかさを持ったサウンドで、この年の高校の部の中でも秀逸なサウンドを誇っていた。それにしても後に、埼玉県が吹奏楽王国となるその道筋をしっかりと形作った功績は大きい。

14 西部支部 福岡県代表 福岡工業大学附属高等学校吹奏楽団 (指揮 : 鈴木孝佳) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
民衆の祭りのためのコラール (C.ケックラン)非常にサウンドが完成されたバンドで、音楽が非常に心にしく響いてくる。レベルの高い高校の部の中でも、更にハイレベルな演奏を残してくれた。自由曲も非常に魅力的な曲で、その主張がよく伝わってくる演奏だった。しかし福岡県も非常に吹奏楽のレベルの高い県のひとつだ。西部支部ではかつて、沖縄のバンドと熾烈な戦いを繰り広げていたが、80年代以降は福岡の独走ときいう感じがする。その中でも常にトップランクを保つ緊張感に敬服したい。

17 関東支部 神奈川県代表 逗子開成高等学校吹奏楽部 (指揮 : 西野明男) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
海の歌 (R.ミッチェル)非常に抑揚の幅が広いバンドで、音楽的な表現力を持っているのが嬉しい。また個々のテクニックもよく、ソロ楽器のサウンドも非常に美しい。ただ、随所で、若干ピッチが不安定になる時があるのが惜しい。パーカッション群も非常にリズミカルで、音楽全体を締めていた。それにしても、この年は、関東代表は全て金賞と、非常にレベルの高いエリアであぐ事を示していた。

19 中国支部 島根県代表 島根県立川本高等学校吹奏楽部 (指揮 : 谷口栄一) 金賞
課題曲 C : シンフォニック・マーチ (斉藤正和/上岡洋一)
自由曲 :
歌劇「サルタン皇帝の物語」 より 3つの奇蹟 (N.リムスキー=コルサコフ/谷口栄一)課題曲は非常に模範的な演奏で、個々の音楽の把握度が高い事を伺わせる。リズムの刻みも的確で、安心して聴ける演奏だった。また、このバンドは、非常にシンフォニックな響きを持っているのが好感もてる。音楽辞退に細かい動きがないので、その分、表現力や音楽性、個々のテクニックの高さが要求されるが、それをクリアした演奏は立派だった。全体としては地味な印象はあるが、しっかりとこういう音楽も評価する審査員に拍手。アレンジも指揮者自身の手によるもので、音楽的な一体感はこういうところからも来ているのかも知れない。

21 東海支部 静岡県代表 静岡県立浜松工業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 遠山詠一) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
古祀 (保科洋)プログラム後半は、怒涛の金賞ラッシュ。まずは、もうコンクールではおなじみの浜松工業。法人作品を積極的に取り上げるのがこのバンドの特徴のひとつ。非常に音楽作りで丁寧で、かつ鋭角的なサウンドは、法人作品にはもってこいなのかも知れない。音圧もかなりあるサウンドで、東海地区の高校の部を名電と共に牽引してきた底力みたいなものを感じる。課題曲とのコンビネーションも申し分なく、金賞を受賞。

22 西部支部 福岡県代表 中村学園女子高等学校吹奏楽部 (指揮 : 松澤 洋) 金賞
課題曲 A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 :
スペイン奇想曲 (N.リムスキー=コルサコフ/M.ハインズレイ)冒頭から、非常に乾いたサウンドが鳴り渡る。この自由曲を完璧に再現するには、もうちょっとサウンドに潤いとか艶みたいなものが欲しいところだが、それらそれで、このバンドの個性なのだろう。細かいミスは目立つものの、さすがに勢いはある。ただ、全体的にバランスが悪いのと、細かい、タンギング等にもずれはあるが、勢いで金賞をかっさらっていった感じか。後半クライマックスでのアンサンブルはさすが、お見事。

24 東北支部 青森県代表 青森県立弘前南高等学校吹奏楽部 (指揮 : 斎藤聖一) 金賞 5年連続金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
組曲「イタリアの印象」 より ラバに乗って、山の頂にて (G.シャルパンティエ/A.ギロンス)東北のバンドは、サウンドといい、音楽作りといい、全国的にもやはりトップクラスにある。選曲も工夫してきているのがいい。東北地区から招待演奏に1校まわっていながら、出場校は全て金賞。層もかなり厚い。特にこの学校は、サウンドがまろやかで、非常に艶があって、耳当たりがいい。ときおり、吹奏楽であるとういう事を忘れてしまうぐらいだ。この演奏で、このバンドは5年連続金賞を受賞した。来年は招待演奏にまわる。

25 関西支部 大阪府代表 大阪府立淀川工業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 丸谷明夫) 金賞
課題曲 A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 :
歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 (G.ヴェルディ/木村吉宏)課題曲は、非常にリズミカルにこなしている。が、細かいミスが随所に目立つのが残念。さて、自由曲となったヴェルディの作品は、このバンドお得意のナンバーのひとつ。2年前にも同じ虚るを演奏して銀賞を受賞している。同じ曲でも、メンバーがかわると、やはり音楽やサウンドも変わってくる。このバンドは非常に訓練がゆきとどいているのか、とにかくアンサンブルの乱れが少ない。特にこの年の自由曲は、そのアンサンブルの緻密さが非常にいい方向に出ていた。ソロサックスのサウンドも流麗だし、クライマックスの高揚感も申し分無かった。ただ、ピッチが若干甘いのが気にはなったが・・・・。

1 北陸支部 富山県代表 富山県立高岡商業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 土合勝彦) 銀賞
課題
曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 神聖な舞曲と世俗的舞曲 (W.ヒル)
4 東京支部 東京都代表 駒澤大学高等学校吹奏楽部 (指揮 : 石井登志夫) 銀賞
課題
曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : アルメニアン・ダンス・パート2 より ロリの歌 (A.リー
ド)
5 四国支部 香川県代表 高松市立高松第一高等学校吹奏楽部 (指揮 : 石川孝司) 銀賞
課題
曲 A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 : ハンガリー狂詩曲第2番 (F.リスト/T
.M.トバニ)
8 東京支部 東京都代表 早稲田実業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 長瀬清正) 銀賞
課題曲
A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 : アルメニアン・ダンス・パート2 より ロリの歌 (A.リ
ード)
13 東海支部 静岡県代表 東海大学第一高等学校吹奏楽部 (指揮 : 榊原達) 銀賞
課題曲
B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 吹奏楽のためのカタストロフィ
(保科洋)
15 関西支部 京都府代表 洛南高等学校吹奏楽部 (指揮 : 宮本輝紀) 銀賞
課題
曲 C : シンフォニック・マーチ (斉藤正和/上岡洋一)
自由曲 : 道化師の朝の歌 (M.ラヴェル/L.オ
ドム)
16 中国支部 岡山県代表 就実高等学校吹奏楽部 (指揮 : 村松勲) 銀賞
課題曲
B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 組曲「スペイン」 より アラゴン (I.アルベニス/
吉市幹雄)
18 北海道支部 札幌地区代表 東海大学第四高等学校吹奏楽部 (指揮 : 井田重芳) 銀賞
課題
曲 C : シンフォニック・マーチ (斉藤正和/上岡洋一)
自由曲 : 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲 (R.ワーグナ
ー/L.P.ローレンドウ)
20 北海道支部 旭川地区代表 北海道旭川商業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 山崎一丸) 銀賞
課題
曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : バレエ音楽「ガイーヌ」 より 子守歌、レスギンカ舞曲 (A.ハチャトゥリアン/山崎一丸)

23 東海支部 愛知県代表 名古屋電気高等学校吹奏楽部 (指揮 : 松井郁雄) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : ディオニソスの祭 (F.シュミット)
全日本コンクール常連校のひとつ。かつては、ブラス系がガなり立てるサウンドが特徴だったが、この頃になると、かなりマイルドな表現に変化して来た。木管系のサウンドの艶も流麗で、少しずつ自分の中では、このバンドのサウンドに好感が持てるようになって来た感じ。ただ、アンサンブルに乱れが多く、練習に時間があまり割けなかったのがそういう部分に出ているのが残念。野球の甲子園応援も重なって、コンクールのための時間が取れなかったそうだ。

特別演奏 東北支部 秋田県代表 秋田県立秋田南高等学校吹奏楽部 (指揮 : 高橋紘一)
JEUXIII/天野正道
「童謡によるファンタジー」より茶つみ歌、あの町この町、エピローグ/野田暉行
吹奏楽と三味線のための「津軽じょんがら節」/青森県民謡(佐川馨)

特別演奏 東京支部 東京都代表 玉川学園高等部吹奏楽団 (指揮 : 高浪晋一)
われら愛す/西崎嘉太郎(芳賀秀次郎作詞)
海は心/高浪晋一(丸山薫作詞)
山/高浪晋一(高浪晋一作詞)
やすかれわが心よ/.オナーチン
フィンランディア/J.シベリウス(L.カイリエ)


1 東京支部 東京都代表 亜細亜大学吹奏楽団 (指揮 : 小長谷宗一) 金賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 : バレエ組曲「ロデオ」 より カウボーイの休日 (A.コープランド/小長谷宗一)冒頭から艶のあるダイナミックレンジの広いサウンドが、アメリカンな感じで、コープランドのオンがるを非常に的確に表現している。ただ、トゥッティとかの時に、若干ピッチが不安定になるのが惜しい。しかし、このバンドは、こういう鳴りを要求される楽曲を表現するのに、非常に適したサウンドを持っている。ただ、ブラスが割れすぎの感もあるが・・・。しかし、アメリカの作曲家の音楽は、吹奏楽のオリジナルに近い響きがあるのが、わかるね。
5 関西支部 大阪府代表 近畿大学吹奏楽部 (指揮 : 森下治郎) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 組曲「道化師」 より プロローグ、パントマイム、リリカルシーン、エピローグ (D.カバレフスキー/藤田玄播)コンクール常勝の近畿大学。このバンドは、そのサウンドに個性や主張が特にあるわけではないんだけど、減点が少ないのが強みか。しかし、訓練され尽くしたアンサンブル力は、常に安定感のある音楽を提供してくれる。
6 東京支部 東京都代表 駒沢大学吹奏楽部 (指揮 : 上埜孝) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : バレエ音楽「ロメオとジュリエット」 (S.プロコフィエフ/上埜孝)お得意のロシアものをこの年もセレクトした駒澤大学。この手の音楽を取り上げると、的確なサウンドで、上質の音楽を具してくれるのは、今も昔も変わらないみたい。ここのサウンドは、東京だからというわけではなが、非常に垢抜けたサウンドで、パーカッションの歯切れなんかをみても、他のバンドと比較して群を抜いている。あとは、縦の線が見事に揃っている部分も、敬服の一語に尽きる。
7 東海支部 三重県代表 三重大学吹奏楽団 (指揮 : 沖公智) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 歌劇「グヴァンドリーヌ」序曲 (E.シャブリエ/M.ハウエル)駒澤の後に聞くと、このバンドが非常に柔らかいサウンドを持っているのがよくわかる。大学の部の中では、最も木管系の音が、艶やかなサウンドを持っている。選曲の妙も相まって、非常にシンフォニックな響きを聞かせてくれた。ただ、その分、音楽的なパッションに若干欠けるのが、残念ではあるが。
2 関西支部 兵庫県代表 関西学院大学応援団総部吹奏楽部 (指揮 : 梅田尚哉) 銀賞
課題曲 A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 : ウェーバーの主題による交響的変容 より 第3・4楽章 (P.ヒンデミット/藤田玄播)
4 東北支部 岩手県代表 岩手大学吹奏楽部 (指揮 : 小笠原勇美) 銀賞
課題曲 C : シンフォニック・マーチ (斉藤正和/上岡洋一)
自由曲 : 交響組曲「野人」 より 第2・3楽章 (渡辺浦人/及川晃貴)
8 北海道支部 函館地区代表 北海道教育大学函館分校吹奏楽部 (指揮 : 寺中哲二) 銀賞
課題曲 A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 : 序曲「シヴァリー」 (R.ジェイガー)
9 北陸支部 福井県代表 福井工業大学応援団吹奏楽部 (指揮 : 武曽豊治) 銀賞
課題曲 C : シンフォニック・マーチ (斉藤正和/上岡洋一)
自由曲 : ノベレッテ (J.スピアーズ)
10 西部支部 福岡県代表 福岡教育大学吹奏楽部 (指揮 : 三好隆三) 銀賞
課題曲 C : シンフォニック・マーチ (斉藤正和/上岡洋一)
自由曲 : カディッシュ (F.マクベス)
11 関東支部 埼玉県代表 文教大学吹奏楽部 (指揮 : 山田敏彦) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : セント・アンソニー・ヴァリエーション (W.ヒル/柳田孝義)
12 西部支部 佐賀県代表 佐賀大学管弦楽団ウィンド・アンサンブル (指揮 : 国府慶作) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : アレルヤ!ラウダムス・テ (A.リード)
3 四国支部 香川県代表 詫間電波工業高等専門学校吹奏楽部 (指揮 : 片岡義和) 銅賞
課題曲 A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 : 吹奏楽のための交響曲 より 第4楽章 (R.ジェイガー)


2 東京支部 東京都代表 ヤマハ吹奏楽団東京 (指揮 : 高倉正巳) 金賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 : エル・サロン・メヒコ (A.コープランド/M.ハインズレイ)ヤマハもこういう曲を選んでた時代があったのか・・・・なんて思いきや、東京の方のヤマハだった。当時は、東京代表として、全国大会常連だったヤマハ東京。そういえば、当時、目黒の財団に行くと、時々練習しているのを見かけたっけ。全国ではあまり金賞には縁がなかったヤマハ東京だけど、この年は、非常にまとまりのあるさわやかなサウンドで、コープランドのアメリカンな感じを的確に表現していた。津のあるブラスの伸びもいい。
3 関東支部 神奈川県代表 日本電気玉川吹奏楽団 (指揮 : 稲垣征夫) 金賞
課題曲 C : シンフォニック・マーチ (斉藤正和/上岡洋一)
自由曲 : 交響的三章 (J.カーノウ)冒頭から、ダイナミックレンジの広い、安定したサウンドが心地よい。ただ、若干ピッチが不安定になる時があるのが、残念。アンサンブル力もあっていいんだけど、惜しむらくは、音楽的な主張とかパッションみたいなものが、少々感じられない事か・・・・。
4 東北支部 青森県代表 青森県信用組合吹奏楽部 (指揮 : 箕輪響) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
吹奏楽のための序曲「飛鳥」 (櫛田(月失)之扶)
6 関西支部 大阪府代表 阪急百貨店吹奏楽団 (指揮 : 鈴木竹男) 金賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 :
バレエ音楽「四季」 より 秋 (A.グラズノフ/R.バンクロフト)
8 北海道支部 日胆地区代表 新日本製鉄室蘭製鉄所吹奏楽団 (指揮 : 山田達夫) 金賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 :
歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲 (O.ニコライ/D.ゴッドフリー)非常に丁寧に音楽を演奏する団体。楽曲そのものは、地味な印象のある感じはするが、音程感を損ねる事なく、そつなくまとめあげている大人の演奏・・・という感じだ。
1 西部支部 福岡県代表 住友金属工業小倉製鉄所吹奏楽部 (指揮 : 平野猛) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : コラールとカプリチオ (C.ジョバンニーニ)
5 中国支部 広島県代表 電電中国吹奏楽団 (指揮 : 佐藤正二郎) 銀賞
課題曲 A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 : パリのアメリカ人 (G.ガーシュイン/岩井直溥)
7 東海支部 愛知県代表 新日本製鉄名古屋吹奏楽団 (指揮 : 野村勤) 銀賞
課題曲 A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 : 歌劇「運命の力」序曲 (G.ヴェルディ/M.レイク)
特別演奏 西部支部 福岡県代表 ブリヂストンタイヤ久留米工場吹奏楽団 (指揮 : 小山卯三郎)
スペイン奇想曲/N.リムスキー・コルサコフ(M.ハインズレー)


1 北陸支部 富山県代表 富山ウインドアンサンブル (指揮 : 秋山鴻市) 金賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 :
フランス組曲 より 第3・4・5楽章 (D.ミヨー)北陸代表は一般の部もしっかりとした演奏を残す。伝統の輝かしいブラスの響き、そしてアンサンブルの緻密さが、非常に全体を通して心地よく、音楽を演出している。アンサンブルもしっかりしているし、全体のトーンも美しいんだけど、何か、主張というものが、感じられない気もする。大人信って、そういう人に何かを伝えるという事が、おろそかになるものなのか・・・・。
3 中国支部 島根県代表 出雲吹奏楽団 (指揮 : 片寄哲夫) 金賞
課題曲 A : イリュージョン (鵜沢正晴)
自由曲 :
吹奏楽のための哀歌 (兼田敏)兼田敏特有の日々のを持つ自由曲。その情感をこのバンドは非常に的確に表現していた。名門校出雲一中の卒業生を中心に結成されたバンドを率いるのも、かつての出雲一中を頂点に導いた指揮者。コンクールを知り尽くしたこの組み合わせの優位は、しばらく途切れる事はないだろう。願わくば、もっと、大胆な選曲と大胆な演奏、表現力を期待したいところ。
5 関西支部 兵庫県代表 西宮吹奏楽団 (指揮 : 石川学) 金賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 :
歌劇「さまよえるオランダ人」序曲 (R.ワーグナー/石川学)さ、こちらはおそらく、今津中の卒業生を中心に作られたものなのだろう。かつて今津中が優勝した事のある自由曲での挑戦。非常に、輝き渡るブラスの響きと、がっしりとした中低音が、音楽そのものに安定感を与えている。ワーグナーの表現者としては、非常にレベルの高い演奏だ。しかし、この団体もやはり、全体を通して、何を語りたかったのか・・・・という部分が見えてこなかった。一般の部の練習時間を考えると、仕方のない事なのか・・・・。
6 関東支部 新潟県代表 長岡市吹奏楽団 (指揮 : 浅井政尾) 金賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 :
狂詩曲「タラス・ブーリバ」 より 予言とタラス・ブーリバの死 (L.ヤナーチェク/浅井政尾)非常に、個々の楽器のサウンドがクリアに聞こえるバンドだ。新潟のバンドって、あまり全国大会ではお耳にかかれないので、これは貴重。しかしこのバンド、非常に、模範的なサウンドを紡ぎ出している。ダイナミックレンジも適度にあり、非常に安定感があるのがいい。クライマックスの部分では、やや音楽的な表現がおろそかになってしまうのが残念だったが、しかし、非常にまとまりを感じさせる演奏だった。

7 東京支部 東京都代表 豊島区吹奏楽団 (指揮 : 八田泰一) 金賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 :
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 (R.シュトラウス/M.ハインズレイ)こちらは、名門豊島十中の卒業生を中心としているのかな。出雲、今津、そして豊島の3つの中では、豊島が、この時点では、最も完成されたサウンドを持っていた。個々の楽器のテクニックもそうだけど、音楽的な主張というのが、一般の部を通しても最も感じられた。個人的には、この年の一般の部の グランプリは、このバンドにあげたい。そして更なる冒険心を望みたい。

2 四国支部 愛媛県代表 松山交響吹奏楽団 (指揮 : 二神秀明) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : アルメニアン・ダンス・パートII より ロリの歌 (A.リード)
4 東海支部 愛知県代表 蒲郡市吹奏楽団 (指揮 : 西浦稔) 銀賞
課題曲 B : 東北地方の民謡によるコラージュ (櫛田(月失)之扶)
自由曲 : 交響曲第8番 より 第1楽章 (A.ドヴォルザーク/A.ブラディ)
8 東北支部 福島県代表 郡山吹奏楽団 (指揮 : 荒川健秀) 銀賞
課題曲 C : シンフォニック・マーチ (斉藤正和/上岡洋一)
自由曲 : バレエ音楽「眠りの森の美女」 (P.チャイコフスキー/森田一浩)
9 西部支部 佐賀県代表 佐賀市民吹奏楽団 (指揮 : 吉武雄三) 銀賞
課題曲 D : 行進曲「青空の下で」 (坂本智/藤田玄播)
自由曲 : 小交響曲「ディヴァージェンツ」 より 第3・4楽章 (F.マクベス)