4 四国支部 愛媛県代表 松山市立雄新中学校吹奏楽部 (指揮 : 鈴木清) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 歌劇「どろぼうかささぎ」序曲 (G.ロッシーニ/C.ブラウン)四国の名門中学、雄新中。冒頭から非常に溌剌とクリアなサウンドが響き渡るのが非常に心地よい。ロッシーニの曲は、簡単なようで、結構タンギングが大変なんだけど、このバンドは、それを非常によく訓練して来ている。主旋律とそれをサポートする楽器の区別も非常にしっかりと出来ていて、音楽が明解な演奏だった。昨年の銅賞から、よく頑張って、金賞バンドに成長して来た。 |
13 関東支部 千葉県代表 市川市立第一中学校吹奏楽部 (指揮 : 大石秀子) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 (R.シュトラウス/M.ハインズレイ)非常に流麗で、クリアなサウンドが冒頭から響きわたる。この年の金賞団体のテーマは、ここにあったのかも知れない。このバンドは、アンサンブルも非常に確かで、特に課題曲でその良さが表れている。そしてこのバンドのように、音楽を、旋律をどうクリアに人々に聴かせて訴えかけるか・・・・それをクリアしているのがいい。また、ブラスサウンドの艶、ホルンの音程感、アンサンブル、どれを取っても、非常にレベルの高い演奏を展開している。また、女性指揮者らしい、繊細な音楽表現もいい。トゥッティの部分でのピッチの崩れが難と言えば難か。 |
18 中国支部 島根県代表 出雲市立第一中学校吹奏楽部 (指揮 : 錦織雄司) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : イタリア奇想曲 (P.チャイコフスキー/錦織雄司)全国大会でのキャリアの長いバンドのひとつ。冒頭のファンファーレから、聴く者を引きつけて離さない手腕はさすが。この曲も、コンクールでは、お馴染の楽曲のひとつ。個々の楽器の音色といい、アンサンブルといい、中学生としては、レベルを越えたものを持っている。しかし、もっと音楽的な表現力を前面に打ち出してもいいのでは・・・・という気もする。しかし、非常に落ち着いた、安定した音楽には脱帽。 |
19 東京支部 東京都代表 足立区立第十四中学校吹奏楽部 (指揮 : 原田徹) 金賞 課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : 交響組曲「寄港地」 より チュニスよりネフタ、ヴァレンシア (J.イベール/P.デュポン)東京の新しい勢力として、このところ頭角現し始めたバンド。安定したアンサンブルと、非常にダイナミックレンジの広いサウンドを誇る。課題曲は、この曲の持つ和の雰囲気を巧みに表現していたが、細かいフレーズが、ときおり不鮮明になるのが惜しかった。変わって、自由曲は、所々、細かいミスはあるものの、減点対象の少ない、そつのない演奏で、イベールを聴かせてくれた。とくに木管系に潤いが不足しているのが気になった。ピッチも、かなり不安定。しかしソロ楽器の活躍は素晴らしい。 |
20 東北支部 青森県代表 弘前市立第三中学校吹奏楽部 (指揮 : 一戸則夫) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : バレエ組曲「三角帽子」 より 終幕の踊り (M.ファリャ/G.ヴィンター)東北地区のバンドは、非常に丁寧な音作りと、意外にも、パッションに満ちた演奏を聴かせるバンドが多い。このバンドもそうで、スペインものを表現するにはぴったりなサウンドが、非常に心地よくからだに突き刺さってくる。個々のテクニックも高いが、それ以上に訓練され尽くしたアンサンブルの緻密さが、音楽をより完成度の高いものにしている感じだ。時折、フレーズが不鮮明になる点を除けば、中学校の部の演奏としては、ほぼ完璧なものだったと思う。 |
21 四国支部 愛媛県代表 伊予市立港南中学校吹奏楽部 (指揮 : 吉田雅彦) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 歌劇「サムソンとデリラ」 より バッカナール (C.サン・サーンス/P.エグナー)四国から2校も金賞が出るとは・・・・失礼。これは、この時代、目覚ましい発展を遂げた雄新中の影響によるものなのだろう。非常に、鮮明できらびやかなサウンドを誇るこのバンド。しかし、音楽的なバランスが時折崩れて、主旋律が隠れてしまうのが、残念。ただ、冒頭のソロ楽器の音色の美しさや、縦割りのしっかりとしたアンサンブル等は秀逸。それにしても、どうして後半にこんなにも金賞が集中したのか・・・・。 |
23 中国支部 島根県代表 出雲市立第二中学校吹奏楽部 (指揮 : 渡部修明) 金賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 (G.ヴェルディ/木村吉宏)非常に集中力とまとまりのある音楽が、響き渡る。出雲一中を名門校にのしあげ、今度は出雲二中もトップクラスのバンドに仕上げた、指揮者の自信が、演奏全体から伝わって来る。個々の楽器のテクニックは、そんなに突出しているわけではないが、音楽としてのまとまりが、他を圧倒する。課題曲は、曲の壷をよく抑えた表現力で、聴く者を引っ張っていく。一方、自由曲は、コンクールではもうお馴染のこの曲を、出雲サウンドらしい、アンサンブルのしっかりした演奏で、まとめあげている。 |
24 関東支部 群馬県代表 前橋市立第二中学校吹奏楽部 (指揮 : 田村次男) 金賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 楽劇「サロメ」 より 七つのヴェールの踊り (R.シュトラウス/M.ハインズレイ)コンクールの80年代の流行り曲と言えば、やはり圧倒的にサロメか。多分ダフニスとクロエと人気を二分していたのだろう。このバンドは、木管楽器の響きとその和声が、素晴らしい美しさを誇る。もう少し、サウンドそのものがクリアになると、もっと聞きごたえが出てくるのだが・・・・。しかし指揮者に対する生徒の理解力は非常に高いという感じがするのも確か。そして何より、音楽を楽しんでる様子が出ているのがいい。 |
27 関西支部 大阪府代表 大阪市立城陽中学校吹奏楽部 (指揮 : 神出有光) 金賞 4年連続金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 楽劇「サロメ」 より 七つのヴェールの踊り (R.シュトラウス/M.ハインズレイ)非常にサウンドも安定して来て、黄金時代に入った感のある、城陽中学校。このバンドは、個々の楽器が平均的にレベルが高いので、全体のバランスが非常にいい。アンサンブルもよく訓練されていて、非常に音楽としても、聞きごたえがある演奏を、この時代に残していってくれた。音の張りも良く、更に艶が出てくれば、もっと音楽的な幅で出てくる事だろう。しかし、この当時の中学生の中でも、最高峰のバンドのひとつだったのは間違いない。 |
5 九州支部 沖縄県代表 那覇市立小禄中学校吹奏楽部 (指揮 : 屋比久勲) 銀賞
課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : シンフォニックバンドのためのパッサカリア (兼田敏)屋比久先生お得意のパッサカリア。同じ沖縄の石田中の名演も記憶にあたらしい。今回の演奏は、ややサウンドのバランスがいまひとつなのと、アンサンブルも、いまひとつ指揮についていっていない、という感じか。サックス等、個々の楽器のサウンド作りもこれからという感じ。その為か主旋律が前面に出てこない。しかし沖縄らしいシンフォニックな響きは、次への期待感をはらんでいるのも、事実。クライマックスに向けての音楽的表現は、さすが。 |
6 関西支部 兵庫県代表 伊丹市立伊丹東中学校吹奏楽部 (指揮 : 永澤譲) 銀賞
課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 交響詩「ローマの松」 (O.レスピーギ/G.デュカ)非常にサウンドの安定しているバンドだ。ここに、更なるクリアさと、適度の艶が加われば、もっと演奏全体が、主張のあるものになっただろう。特に、今回は、曲そのものが全体的に抑圧された感じの展開なので、そういうサウンドそのものの美しさがアピール材料になる。 |
9 関西支部 兵庫県代表 加古川市立中部中学校吹奏楽部 (指揮 : 岡崎俊夫) 銀賞
課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 夜想曲 より 祭り (C.ドビュッシー/岡崎俊夫)非常にきらびやかで美しいドビュッシーを展開する。特にペットを中心としたブラス系のサウンドの艶が素晴らしい。アンサンブルも見事で、非常に聴きやすい。木管系のサウンドがもう少し、芯と艶の或るサウンドに仕上がっていたら、そしてピッチかもっと安定すれば、音楽がもっと説得力のあるものになっただろう。いずれにしても、銀賞団体の中で、最も金賞に近いバンドであったのは確か。 |
12 九州支部 宮崎県代表 宮崎市立大塚中学校吹奏楽部 (指揮 : 下之薗制勝) 銀賞
課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 吹奏楽のための組曲第3番 より Iファンファーレと序奏、III風変りなポルカ、IV全員の踊り (A.リード) |
14 東北支部 秋田県代表 秋田市立山王中学校吹奏楽部 (指揮 : 羽川誠) 銀賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 交響的舞曲 より 第3楽章 (S.ラフマニノフ/佐藤正人)東北の名門のひとつ、山王中。金賞団体に比べると、やはりサウンドの艶やクリアさに欠ける。その為か、演奏も音楽そのものも、非常にこぢんまりとしたものになってしまっているのが残念。かつて、この学校がつま弾き出すサウンドに酔いしれた事もあっただけに、個人的に復活を望む。 |
15 東京支部 東京都代表 豊島区立第十中学校吹奏楽部 (指揮 : 磯和利) 銀賞 課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : マスク (F.マクベス)こちらも、中学の部の名門校。この曲はまずリズム感によって、その出来が左右される。しかし、冒頭からそのリズムの狂いが随所に見られる。ちょっとテンポ設定が速すぎたか。じょじょに挽回して行くものの、シロフォン奏者と全体の刻みが微妙にずれるのが、ちょっと気持ち悪い。しかし、全体のサウンドの構築はさすがだ。でも、もし自分が、72年の嘉穂高校のあの名演を聴いていなかったら、もっと甘い見方をしていたかも知れない・・・・。 |
16 中国支部 山口県代表 下関市立玄洋中学校吹奏楽部 (指揮 : 竹中俊二) 銀賞
課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 管弦楽のための「映像」第2番 「イベリア」 より 第2楽章 夜の匂い、第3楽章 祭の日の朝 (C.ドビュッシー/田中照通)いきなり、木管系のサウンドが、艶のある素晴らしい響きを聴かせる。この曲、意外とありそうで、あまりコンクールでは聴かないねえ。派手な曲ではないので、個々の楽器のテクニックが非常に重要となって来る。このバンドは最後までアンサンブルの乱れもなく美しいサウンドを展開していた。ただ、この年の金賞のテーマ、クリアなサウンドに欠けていたのが、残念。 |
17 東海支部 静岡県代表 島田市立島田第二中学校吹奏楽部 (指揮 : 首藤栄市) 銀賞
課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : 交響詩「海」 より 風と海との対話 (C.ドビュッシー/藤田玄播)非常に丁寧に作り上げた、「海」という感じはするが、もう少しサウンド全体に締まりがないと、ドビュッシーの世界を吹奏楽で再現するのは難しいかも知れない。このバンドは非常にキャリアのあるバンドで、スペイン系の楽曲を演奏すると、非常に本領を発揮していたような気がする。今回はフランスものに挑戦・・・・したわけだけど、音楽とサウンドのアンバランスさが勿体ない。 |
22 北陸支部 福井県代表 鯖江市立鯖江中学校吹奏楽部 (指揮 : 山本美津子) 銀賞
課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : 交響組曲「寄港地」 より チュニスよりネフタ、ヴァレンシア (J.イベール/P.デュポン)怒涛の金賞団体連続演奏に囲まれて、女性指揮者による繊細なサウンドが登場。冒頭のソロは、非常に表現力豊かで、サポートする楽器のバランスもいい。テンポアップして行く中間部、アンサンブルが若干散漫になるのが惜しい。 |
26 関東支部 新潟県代表 三条市立第三中学校吹奏楽部 (指揮 : 水野英二) 銀賞
課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : スペイン奇想曲 より 第3、4、5楽章 (N.リムスキー・コルサコフ/F.ウィンターボトム) |
1 北海道支部 旭川地区代表 当麻町立当麻中学校吹奏楽部 (指揮 : 山形正法) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 吹奏楽のための鄙歌第2番 (小山清茂)エントリーナンバー1番は和風な自由曲で登場。去年も同じ作曲家の曲で金賞を受賞している。このバンドは、ユニゾンだったり、全体で音を鳴らす時は、非常に艶のあるいい音を出すんだけど、ソロにあると、いまひとつ安定しないのは何故?あと、もっともっと、日本人として、日本独特のリズム感を修得して欲しかった。 |
2 北陸支部 福井県代表 敦賀市立粟野中学校吹奏楽部 (指揮 : 木子雅之) 銅賞 課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : 吹奏楽のための序曲「飛天」 (櫛田(月失)之扶) |
3 東北支部 青森県代表 八戸市立湊中学校吹奏楽部 (指揮 : 佐藤憲一) 銅賞 課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : 組曲「ハーリ・ヤーノシュ」 より 戦争とナポレオンの敗北、皇帝と廷臣たちの行列 (Z.コダーイ/佐藤憲一)長年に渡って全国大会に登場している東北の名門校。全体的に、サウンドが粗雑なのが、残念。アンサンブルや演奏そのものは、堂々として落ち着いているだけに惜しい。中間部のサックスの音色なんかも非常に美しかった。クライマックスもサウンドに迫力はあるが、音が不鮮明になってしまうのが、残念だった。 |
7 九州支部 宮崎県代表 都城市立祝吉中学校吹奏楽部 (指揮 : 椛山達巳) 銅賞 課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : 組曲「絵のような風景」 より アンジェラスの鐘、ジプシーの祭り (J.マスネ/L.ミレ) |
8 北海道支部 旭川地区代表 旭川市立北都中学校吹奏楽部 (指揮 : 平沢闘治) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 吹奏楽のための序曲「斑鳩の空」 より まほろば、夢殿、里人の踊り、斑鳩の空 (櫛田(月失)之扶) |
10 関東支部 山梨県代表 大月市立大月東中学校吹奏楽部 (指揮 : 平野廣海) 銅賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 歌劇「運命の力」序曲 (G.ヴェルディ/R.ケント)かつての名門校、明見中にいた平野先生、学校がかわっても、こうしてしっかりと全国に駒を進めてくるのは素晴らしい。この曲は、平野先生が、その明見時代に、全国大会で金賞を取った事のある曲。っていうか、コンクールでは、かなりの頻度で取り上げられてきた曲だね。この学校は、個々の楽器のサウンドが素晴らしい。ソロパートが非常に安心して聴ける。もっとも銀賞に近い銅賞だったような気がする。 |
11 東海支部 静岡県代表 富士市立吉原第一中学校吹奏楽部 (指揮 : 植村寿男) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 歌劇「サムソンとデリラ」 より バッカナール (C.サン=サーンス/石川喬雄) |
25 東海支部 静岡県代表 清水市立第八中学校吹奏楽部 (指揮 : 田辺洋二) 銅賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 狂詩曲「スペイン」 (E.シャブリエ/L.カイリエ) |
5 関東支部 神奈川県代表 神奈川県立野庭高等学校吹奏楽部 (指揮 : 中澤忠雄) 金賞 初出場 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : アルメニアン・ダンス・パートI (A.リード)まずは、課題曲。サウンドそのものは若干乾燥している感じがしないでもないが、アンサンブルはお見事。解釈の仕方等には、初出場の初々しさも感じられる。それにしても、ミスのない完璧な演奏力には脱帽した。続いて、自由曲。冒頭から、ダイナミックレンジの広い、堂々としたサウンドがこだまする。この年、初出場を果たし、数々の伝説を作る事になる野庭高校。鋭角的なブラスサウンド、木管系のサウンドも、まろやかというよりは、鋭角的でありながら、重厚で、かなりはっきりとした音楽作りをしている。全体的なサウンドの艶も申し分ない。その他、リズム感、アンサンブル、全てにおいて、トップクラスの音楽を残してくれた。 |
6 北陸支部 富山県代表 富山県立富山商業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 坪島照信) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 交響詩「海」 より 風と海との対話 (C.ドビュッシー/上埜孝)まずは、課題曲。非常に、ダイナミックレンジの広い、堂々としたサウンドは、やはり伝統に培われた物か。ピッチも、演奏力も、表現力も、何者にも動じることのない音楽が広がる感じが素晴らしい。細かいパッセージや、フレーズの再現も完璧で、この時代の高等学校の部の水準の高さを証明する演奏のひとつだろう。そして自由曲。ブラス系のサウンドに非常に艶がある、このバンドならではの「海」を聞くことが出来た。アレンジも簡潔で、非常にこのバンドに合っていると言えるだろう。細かいフレーズまでしっかりと再現する手腕も見事だし、アンサンブルも申し分ない。後半、随所に細かいミスが見られたのは残念だが、全体的なこの音楽作りの中では、それは、そんなに大きな問題ではない。クライマックスも、流麗なブラスサウンドで締めくくられる。 |
9 北海道支部 札幌地区代表 東海大学第四高等学校吹奏楽部 (指揮 : 井田重芳) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 古祀 (保科洋)まずは課題曲。実は、この年の高校の部の課題曲を全て聞く事が出来たのは、この年、現役で吹いてられたという、田中克昌さんから、このホームページをきっかけに、音源を頂いての事。この場を借りて、改めて、お礼を言いたい。さて、課題曲は、非常に、安定感の あるサウンドが素晴らしい。中間あたりで、ややテンポ設定が速すぎるかなという感もあるが、乱れる事なく、そのテンポで音楽を表現し尽くした、チームワークが素晴らしい。中域が非常に安定した、理想的なサウンドによる課題曲だった。そして、自由曲。非常にナチュラルなサウンドが、冒頭から、空間を支配する。木管系が、ブラス系にこれだけ立ち向かっているというか、包み込んでいるサウンドは、この時代の高校の部では珍しい。非常にシンフォニックなサウンドだ。テンポアップする場面では、若干パーカッションを中心にアンサンブルが乱れるが、重厚なサウンドが、それを補う感じだ。とにかく中低音がしっかりしたサウンドは、非常にからだに心地よい。そしてこのサウンドのブレンドの妙は、最後まで崩れる事がなかった。それまで、東海大四校というと、バレーボールのイメージが強かったが、この演奏で見方が変わった。 |
12 関西支部 大阪府代表 大阪府立淀川工業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 丸谷明夫) 金賞 4年連続金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 吹奏楽のための神話(天岩屋戸の物語による) (大栗裕)時代を越えて、コンクールの顔のような存在となった淀工。まずは自由曲。サウンドに非常に艶があるものの、やや中域に欠ける感じで、安定感に欠けた演奏だった。しかし、テンポの維持力や、楽譜の細部にわたる音の再現力等は、やはり抜きん出ている。後半のサックスのソロの部分も、それを支えるオブリガートが完璧で、音楽に幅が出たのはさすが。さて、自由曲。金賞の常連化して来たこの頃、この年の自由曲の演奏は、まさに完璧そのもの。サウンドのブレンド具合も、艶も、表現力も、金賞団体の中でもトップクラスにあったのは間違いない。個人的には、この年のグランプリをこの演奏にあげたいと思う。この自由曲は、コンクールでもおなじみの曲だが、その歴史の中でも、最高峰の演奏として語り継がれていく事だろう。さ、これで5年連続金賞に王手。さ、来年どうなる事か・・・・楽しみだ。 |
14 関東支部 千葉県代表 習志野市立習志野高等学校吹奏楽部 (指揮 : 新妻寛) 金賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 交響曲 より 第4楽章 (矢代秋雄/天野正道)まずは自由曲。非常にシンフォニックなサウンドを持つこのバンドとしては、いい課題曲の選択だったと思う。このバンドの特徴はなんと言っても、高音木管のサウンドの美しさと、粒の揃った演奏力。非常に心表れるサウンドで演奏されるこの課題曲は、この曲を選んだ団体の名がでも秀逸だった。ただ、ブラス系の楽器のピッチが不安定なのが、残念。さて、自由曲。90年代には、どちらかというと、おとなしい演奏が多かった習志野だが、この頃はまだ、アグレッシブな演奏を残していた。個々の楽器のの鍛錬も素晴らしく、全体としてのサウンドのまとまりと音楽のまとまり具合がしっかりと調和したような演奏だった。しかし、より安定性を求めるのでなく、このアグレッシブさを、常に忘れないで欲しいと、聞く側は思ってしまうものなのである。 |
15 北陸支部 富山県代表 富山県立高岡商業高等学校吹奏楽部 (指揮 : 土合勝彦) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 交響詩「ローマの祭」 より チルチェンセス、主顕祭 (O.レスピーギ/W.シェーファー)まずは課題曲。冒頭若干のアンサンブルの乱れがあるものの、非常に男性的なサウンドを持つこのバンドの立ち直りは速い。これと言って、大きな特徴を持つバンドではないが、逆に、一生懸命さが、いい方向に音楽になって表れるバンドかも知れない。得に、ブラス系のサウンドの安定感は見事で、安心して音楽に浸れるのがいい。クライマックスのブラス系の高音部も、流麗で美しかった。さて、自由曲。相変わらず、北陸のバンドはブラス系のサウンドの伸びが素晴らしい。だからこういう選曲はまさにぴったり来るというものだ。この年の演奏は、アンサンブルも非常に見事で、隙のない演奏を残した。クライマックスに至るまで、決して乱暴になったりする事もなく、音楽を持続したのは、素晴らしい。ただ、若干、曲の存在感に引っ張られていたのも事実で、もうひとつ踏み込んだ解釈が欲しかった感じもした。 |
19 関西支部 兵庫県代表 兵庫県立明石北高等学校音楽部 (指揮 : 松井隆司) 金賞 初出場 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 歌劇「イーゴリ公」 より ダッタン人の踊り (A.ボロディン/M.ハインズレイ)非常に旋律を奏でる楽器の音色が美しい。最後の方は息切れするものの、なんとか持ちこたえて、音楽を構成して行く姿は立派。オーボエやクラリネットのソロが特に秀逸。そしてそれを支えるバッキングも、非常に安定している。若干サウンドのバランスは悪いが、ひどく気になるほどではない。確実に音楽を演じている事によって、それは解消されてしまう。一部フレージングの処理の仕方に疑問点はあるものの、締まりのあるサウンドで、締めくくってくれた。 |
26 九州支部 福岡県代表 福岡工業大学附属高等学校吹奏楽団 (指揮 : 鈴木孝佳) 金賞 課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : 呪文とトッカータ (J.バーンズ)冒頭のサウンドからして、次元が違うのが、すぐにわかる。ブラスと木管系が、非常に絶妙にぶれ鮮度していながら、鋭角的な音楽表現が可能だというのは、個々のテクニックとアンサンブルの鍛錬のおかげだろう。リズム感もしっかりしていて、非のつけようがない演奏だ。ピッチも恐ろしいぐらいに安定している。そしてそれがクライマックスまでまったく崩れる事がない緊張感の持続も、恐るべし。願わくば、ブラスサウンドにもっと艶が出ると、更に前進するだろう。 |
2 中国支部 島根県代表 島根県立出雲高等学校吹奏楽部 (指揮 : 金本克康) 銀賞
課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : バレエ音楽「四季」 より 秋 (A.グラズノフ/R.バンクロフト) |
3 九州支部 福岡県代表 福岡県立嘉穂高等学校吹奏楽部 (指揮 : 竹森正貢) 銀賞
課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲 (O.ニコライ/D.ゴッドフリー) |
11 関東支部 茨城県代表 茨城高等学校吹奏楽団 (指揮 : 和田寛) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 歌劇「ローエングリン」 より エルザの大聖堂への行列 (R.ワーグナー/L.カイリエ)コンクールではお馴染の楽曲とあって、興味深く聞いかせていただいた。非常に、豪華絢爛な入場という感じ。オーボエのソロも美しいし、クラリネットを中心とした木管系のサウンドが、非常に主張を持って、この楽曲を演奏している。ただ、非常に骨組みがしっかりしたエルザではあるが、その骨組みが、はっきりと鮮明にわかってしまうのが、残念。もう少し、役割分担を徹底させてあげれば・・・・。でも、数あるエルザの中でも、個人的には非常に好きな演奏である。 |
13 北海道支部 札幌地区代表 北海道札幌白石高等学校吹奏楽部
(指揮 : 米谷久男) 銀賞 初出場 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 「ハムレット」への音楽 より エルシノア城、俳優たちの入場、クローディアス王の宮中(A.リード) |
16 東海支部 愛知県代表 愛知工業大学名電高等学校吹奏楽部 (指揮 : 松井郁雄) 銀賞
課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : プラハ1968年のための音楽 より トッカータとコラール (K.フーサ)名電らしい選曲と、ブラス系が暴れ回る演奏は健在。かつては、これが耳障りだったが、ある意味、こういう表現もこれはこれで、確固たる主張を持っていて、いいかなと思うようにもなって来た。しかし、自由曲の時間いっぱいにこれが持続するのもどうか・・・・と思わないでもないが。 |
17 九州支部 福岡県代表 中村学園女子高等学校吹奏楽部 (指揮 : 松澤 洋) 銀賞
課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : イタリア奇想曲 (P.チャイコフスキー/F.ウィンターボトム) |
18 関東支部 神奈川県代表 逗子開成高等学校吹奏楽部 (指揮 : 西野明男) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : バレエ組曲「ロデオ」 より カウボーイの休日 (A.コープランド/西野明男) |
23 東北支部 秋田県代表 秋田県立仁賀保高等学校吹奏楽部 (指揮 : 高野豊昭) 銀賞
課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : 交響三章 より 第3楽章 (三善晃/高野豊昭) |
24 関西支部 兵庫県代表 兵庫県立兵庫高等学校吹奏楽部 (指揮 : 吉永陽一) 銀賞
課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 狂詩曲「タラス・ブーリバ」 より 予言とタラス・ブーリバの死 (L.ヤナーチェク/浅井政尾) |
25 東海支部 静岡県代表 東海大学第一高等学校吹奏楽部 (指揮 : 榊原達) 銀賞
課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : シンフォニア・フェスティーヴァ より I.ファンファーレ、II.アリア、III.トッカータ (A.ラニング) |
27 東北支部 秋田県代表 秋田県立秋田南高等学校吹奏楽部 (指揮 : 高橋紘一) 銀賞
課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : バレエ組曲「火の鳥」 (I.ストラヴィンスキー/天野正道) |
1 東京支部 東京都代表 日本大学豊山高等学校吹奏楽部 (指揮 : 大橋秀丸) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 吹奏楽のためのカタストロフィ (保科洋) |
4 中国支部 岡山県代表 就実高等学校吹奏楽部 (指揮 : 村松勲) 銅賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 組曲「イベリア」 より 港、トゥリアーナ (I.アルベニス/吉市幹雄) |
7 四国支部 香川県代表 香川県立観音寺第一高等学校吹奏楽部 (指揮 : 村山英一) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 交響詩「海」 より 風と海との対話 (C.ドビュッシー/渡部修明) |
8 中国支部 広島県代表 広島市立基町高等学校吹奏楽部 (指揮 : 土居晃) 銅賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : バレエ組曲「シルヴィア」 より 前奏曲、狩の女神 (L.ドリーブ) |
10 四国支部 香川県代表 高松第一高等学校吹奏楽部 (指揮 : 石川孝司) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲 (R.ワーグナー/D.ゴッドフリー) |
20 東海支部 愛知県代表 東邦高等学校吹奏楽部 (指揮 : 稲垣信哉) 銅賞 課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : 「ハムレット」への音楽 (A.リード) |
21 東北支部 秋田県代表 秋田県立花輪高等学校吹奏楽部 (指揮 : 小林久仁郎) 銅賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 三つの管弦楽曲 作品6 より 行進曲 (A.ベルク/小林久仁郎) |
22 東京支部 東京都代表 関東第一高等学校吹奏楽部 (指揮 : 塩谷晋平) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : オセロ より プレリュード、オセロとデズデモーナ、宮廷への入場 (A.リード) |
4 東京支部 東京都代表 中央大学音楽研究会吹奏楽部 (指揮 : 林紀人) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 交響組曲「シェエラザード」 より 第4楽章 バグダッドの祭、海、船の難破、終曲 (N.リムスキー=コルサコフ/林紀人)非常に豊かな響きを持ったサウンドでの課題曲は、寸前の乱れもなく見事だった。そして自由曲。72年に豊島十中が超歴史的名演を披露した、交響組曲「シェエラザード」 より 第4楽章。大学の演奏という事で楽しみにしていたが、冒頭のサックスの表現力は、やはり豊島にはかなわない。2回目のカデンツァは、なんとコルネットで演奏。斬新な展開は、アマチュアバンドならではの醍醐味。それにしても、このバンドは、緻密なアンサンブルと、重厚なサウンドで、また一味違った交響組曲「シェエラザード」を再現していた。ただ、カットの不自然さには、少々不満も残る・・・・。しかし去年の銀賞から今年はしっかりと、リベンジを果たした。 |
5 関西支部 大阪府代表 近畿大学吹奏楽部 (指揮 : 森下治郎) 金賞 課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : 大阪俗謡による幻想曲 (大栗裕)冒頭から、若干のピッチの不安定さが惜しい。コンクールの常連となった近畿大学。その重厚なサウンドは定評があるが、この年は、コンクールでお馴染の曲を取り上げて、そのアンサンブルの確かさを見せつけた。が、段々、模範演奏的になって来ているのが、少々残念。 |
10 東北支部 宮城県代表 宮城教育大学吹奏楽部 (指揮 : 細谷直) 金賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 幻想交響曲 より 終楽章 ワルプルギスの夜の夢 (H.ベルリオーズ/八田泰一) こちらも、72年に山王中が、超歴史的な名演を残した、あれっ、この時の指揮者は、山王中の先生では・・・・。なるほど、そういう繋がりがあったわけだね。勿論、11年前の山王中の先生ではないけどね。さて、演奏は、アンサンブルもしっかりしていて、サウンドも、東北独特の艶のある音色だった。11年前とはまた或る種異なった感銘を受けたのも、また事実。気持ち、高音部がきらびやかだと、サウンドに広がり感が出たんだけどね。 |
1 東海支部 三重県代表 三重大学吹奏楽団 (指揮 : 沖公智) 銀賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : トッカータとフーガ ニ短調 (J.S.バッハ/E.ライゼン) |
2 北海道支部 函館地区代表 北海道教育大学函館分校吹奏楽部 (指揮 : 寺中哲二) 銀賞
課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 序曲「春の猟犬」 (A.リード) |
3 関東支部 神奈川県代表 神奈川大学吹奏楽部 (指揮 : 小林敏史) 銀賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : フェスティヴァル・ヴァリエーション (C.スミス) |
6 東京支部 東京都代表 東海大学吹奏楽研究会 (指揮 : 上原圭嗣) 銀賞 課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : 交響曲 より 第1楽章 (松村禎三/上原圭嗣) |
7 関西支部 兵庫県代表 関西学院大学応援団総部吹奏楽部 (指揮 : 菊重隆之) 銀賞
課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 祝典序曲 (P.クレストン) |
8 九州支部 鹿児島県代表 鹿児島大学学友会吹奏楽団 (指揮 : 草野茂生) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 幻想交響曲 より 終楽章 ワルプルギスの夜の夢 (H.ベルリオーズ/G.パレ) |
9 中国支部 山口県代表 徳山大学吹奏楽団 (指揮 : 秋本耕二) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 交響的舞曲第3番「フィエスタ」 (C.ウィリアムズ) |
4 関西支部 大阪府代表 阪急百貨店吹奏楽団 (指揮 : 鈴木竹男) 金賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 組曲「絵のような風景」 より マーチ、ジプシーの祭り (J.マスネ/L.P.ローレンドウ)よく鍛錬されたサウンド。適度の艶と、ダイナミックレンジの広さを持ったサウンドの音楽は非常に耳にもからだにも、心地よく響いてくる。しかし、この団体は、これ系のアレンジものが、お得意だね。主旋律も、サポートする楽器も、全てにおいて、訓練が行き届いている感じ。その分、ハプニング等が起こらないのが、物足りないといえば、物足りない・・・・。 |
5 東海支部 静岡県代表 ヤマハ吹奏楽団浜松 (指揮 : 原田元吉) 金賞 課題曲 B : 白鳳狂詩曲 (藤掛廣幸) 自由曲 : フェスティヴァル・ヴァリエーション (C.スミス)職場の部の常連組の中では、やはりトビっきりの安定感を誇るヤマハ。そのサウンドのバランスの良さと、アンサンブルの確かさは、群を抜いている。課題曲の安定度も秀逸。自由曲は、スミスのナンバー。このバンドは、リズム感もしっかりしているので、こういう楽曲も安心して聞けるのがいい。ただ、もう少し、ブラス系に艶と芯が加わると、もっとダイナミックなサウンドになるだろう。でも、この曲、なんとなくヤマハっぽい(^_^;)。 |
1 中国支部 広島県代表 電電中国吹奏楽団 (指揮 : 佐藤正二郎) 銀賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 劇的序曲「祖国」 (G.ビゼー/D.ゴッドフリー) |
3 東北支部 青森県代表 青森県信用組合吹奏楽部 (指揮 : 箕輪響) 銀賞 課題曲 D : キューピッドのマーチ (川崎優) 自由曲 : 吹奏楽のための序曲「斑鳩の空」 (櫛田(月失)之扶)このバンド、人数が少ないのに、なかなか豊かなサウンドを持っている。アンサンブルの乱れはあるものの、抽象的な言い方だが、職場の部らしい演奏をしている。こういう演奏に出会えるのも、コンクールならではの醍醐味か。 |
6 九州支部 福岡県代表 ブリヂストンタイヤ久留米工場吹奏楽団 (指揮 : 小野照三) 銀賞
課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 歌劇「魔弾の射手」序曲 (C.ウェーバー/J.カペイ) |
2 北海道支部 日胆地区代表 新日本製鉄室蘭吹奏楽団 (指揮 : 山田達夫) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 (G.ヴェルディ/V.サフラネク) |
7 東京支部 東京都代表 ヤマハ吹奏楽団東京 (指揮 : 高倉正巳) 銅賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 喜歌劇「こうもり」序曲 (J.シュトラウス/L.カイリエ) |
8 関東支部 千葉県代表 川崎製鉄千葉製鉄所音楽部吹奏楽団 (指揮 : 斎藤信昭) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 吹奏楽のための序曲「飛鳥」 (櫛田(月失)之扶) |
3 東京支部 東京都代表 葛飾吹奏楽団 (指揮 : 小野照三) 金賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 交響組曲「シェエラザード」 より 第4楽章 バグダッドの祭、海、船の難破 (N.リムスキー・コルサコフ/F.ウィンターボトム)冒頭から骨太な響きが鳴り渡る。課題曲は、一般の部らしく、無難にこなした感じか。自由曲は、コンクールでもお馴染の選曲。72年の豊島十中以来、いわゆる感動的な名演に出逢ってないが、この団体の演奏は、そういう意味で、非常に、音楽的な流れ、響きを大事にしたものだった。ただ、前半に多田よっていた緊張感が、後半、ぷつりと切れてしまったのが残念。しかしこの曲の持つ情感とか情念は、的確に表現していた。この年は、中央大学も、同じ曲を取り上げたが、本当に様々な表現の仕方を持つ曲のひとつだと、再認識した次第。 |
8 関西支部 兵庫県代表 尼崎市吹奏楽団 (指揮 : 辻井清幸) 金賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 (G.ヴェルディ/木村吉宏)一般の部の老舗バンド。何を表現すべきか、どう演じるべきかが、しっかりと理解されている演奏という感じか。自由曲もお馴染の曲だが、前半はたっぷりと詠い込み、後半は、お得意のアンサンブル力で、完璧に近い表現力と共に、聞く者を圧倒した。ただ、若干ピッチが不安定になるのが惜しまれる。それと、いまひとつサウンドに個性がないのが、このバンドの特徴でもある。これに関しては、受け取る側の趣味の問題となって来るのだろう。 |
10 中国支部 島根県代表 出雲吹奏楽団 (指揮 : 片寄哲夫) 金賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 序曲「リシルド」 (G.パレ)かつて出雲一中を率いて、全国優勝を成し遂げた先生のもとに、卒業生たちが集結して出来た、一般バンド。非常に流麗なサウンドを紡ぎ出すバンドだ。自由曲は、コンクールでも何度か演奏されているが、非常に美しいサウンドが生きる楽曲のひとつ。さすがに名門校の出身者が集まっただけあって、音楽の表現力、アンサンブル力、全てが、こなれている。更に、微妙なサウンドのバランス、選択等が的確になされて行けば、もっと素晴らしいサウンドが生まれてくる事だろう。 |
2 北陸支部 富山県代表 富山ウインドアンサンブル (指揮 : 上埜孝) 銀賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 組曲「ハーリ・ヤーノシュ」 より 戦争とナポレオンの敗北、皇帝と廷臣たちの行列 (Z.コダーイ/上埜孝) |
5 東北支部 秋田県代表 大曲吹奏楽団 (指揮 : 田村忍) 銀賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : トリティコ より 第2、3楽章 (V.ネリベル) |
6 九州支部 福岡県代表 中村学園ウィンドアンサンブル (指揮 : 手嶋祐一) 銀賞
課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : イギリス民謡組曲 (R.ヴォーン・ウィリアムズ) |
7 東海支部 三重県代表 白子ウインドシンフォニカ (指揮 : 正高一朗) 銀賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 祝典序曲 (D.ショスタコーヴィチ/D.ハンスバーガー)もうコンクールではお馴染の自由曲。冒頭のファンファーレは、やや不安定ながらも、丁寧な演奏が、好感を与える。アンサンブルは非常に見事で、ファンファーレの不安定さが惜しい。タンギングや刻みも、絶妙で、サウンドの的確さも相まって、爽やかな感動をもたらしてくれた。後半のファンファーレはいい。最後まで、テンポ感も保ち続けて、クライマックスを迎えた。 |
1 関東支部 新潟県代表 長岡市吹奏楽団 (指揮 : 浅井政尾) 銅賞 課題曲 D : キューピッドのマーチ (川崎優) 自由曲 : シンフォニエッタ より 第3・5楽章 (L.ヤナーチェク/浅井政尾) |
4 四国支部 愛媛県代表 松山市民吹奏楽団 (指揮 : 永田粋睦) 銅賞 課題曲 A : 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一) 自由曲 : 交響的三章 (J.カーノウ) |
9 北海道支部 札幌地区代表 札幌市民交響吹奏楽団 (指揮 : 坂井繁) 銅賞 課題曲 C : カドリーユ (後藤洋) 自由曲 : 歌劇「イーゴリ公」 より ダッタン人の踊り (A.ボロディン) |