楡林市府谷県の寨山遺跡の発掘 


  ごく最近、シーマオ遺跡に関連する発掘状況が、新華社から報じられたので、その概略を掲載しておく。

  中国の陝西省考古研究院は、2020年9月24日、同省楡林市府谷県にある寨山遺跡で、竜山時代(新石器時代後期)から夏王朝初期の石シーマオ)文化に属する大型墓地を発見したと明らかにした。発掘済みの墓葬21基には明らかな等級の違いがみられ、約4千年前に出現した中国の初期国家の起源や発展類型、過程を研究する上で重要な墓葬資料になる。

  寨山遺跡は同県田家寨鎮王沙村にある石城遺跡で、面積は約100万平方メートル。陝西省、山西省、内モンゴル自治区の境界線上に位置し、石遺跡の北東約60キロの地点にある。
  河套地域(中国北西部で黄河上・中流が「几」字形に湾曲する地域)で初めて見つかった等級区分が明確な竜山時代の墓地だとし、これまでに発見された朱開溝、新華、神梁(しんぎつたつりょう)、石など各遺跡とともに石?文化の墓葬形式の基本的枠組みと典型的な特徴を構成していると説明される。石文化の内容を深く理解し、その政治体制を研究する上で、貴重な考古学資料になるとされる。

  これまでに発掘を終えた石文化期の墓21基は、いずれも長方形の竪穴式土坑墓で、多くは東西方向に向け築かれ、玉器や陶器、石器などが多数出土した。うち比較的規模が大きい3基は副葬品も多く、複雑な構造をしていた。
  女性の殉葬、玉器の副葬、半月型の壁龕(へきがん)の発見、ほぼ同様の組み合わせのふた付き土器の出土などは、全て石文化の特徴を示しているという。

  ※中国陝西省の河套地域の地図 
 
 
   

  (2020.10.11掲上)
 
 

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